運転時のトラブル、暴走、玉突き事故…クルマを巡る悲惨な報道が絶えない。全国の交通量を鑑みれば、今日も日本中で交通事故が起きているのは、やむなきことかもしれないが、当事者にならないための「リスク低減」は日頃、心がけたいところ。この場合、予防策になるのは「自分が危険運転をしない」ことと「危険運転車から離れる」ことに尽きる。特に、後者については「見極め」が肝心だ。そこで「運転中に遭った迷惑行為」について、ドライバーの声を集めた。
「交差点で対向車がハイビームにしたまま強引に右折。自分が減速したせいで、後続車との車間が急激に縮まり危ない思いをした」(37歳/男性)
「夜の高速道路で、ハイビームにしたまま猛スピードで走るクルマ。あれが後ろから来ると本当に怖い」(35歳/女性)
本来の使い方とは明らかに異なる「ハイビーム」のクルマには注意が必要だろう。また、ヘッドライトを瞬間的に上向きで点灯させる、いわゆる「パッシング」も、後続車からされている場合は「煽り」の可能性が高い。速やかに車線を譲るのが賢明。ちなみに、こういうケースも。
「信号で停まっていたら、前のクルマから若いお兄さんが出てきて『オメエ、わざとやってんのかよ!』と。自分のクルマがハイビームになっているのに気付かずにいたので、こちらが悪いのですが…」(36歳/女性)
ハイビームは、彼らにとっては「威嚇行為」であると認識したほうがいいのかも知れない。
一方で、警察は近年「ハイビーム運転」を奨励している。警視庁の統計資料(平成28年)によると〈「自動車対歩行者」による死亡事故(夜間・自動車直進中。カーブ、右左折時は含まない)において、ある一定の条件下で発生したものを調査分析し、前照灯上向き点灯(ハイビーム:編集部注)により衝突回避できた可能性の高い事故が126件(約56%)あった〉といった理由からだ。だからこそ、ハイビームが「煽り」「ヤカラ」というイメージは払拭しなければならないはずなのだが…。