社会

秋津壽男“どっち?”の健康学「芸能人からよく聞く睡眠方法って健康にいい?睡眠スタイルとアイテムとで快眠を得るべし」

 ここ数年、「寝る時は何も着ない」と公言する芸能人が増えているようです。美意識が高いタレントさんなど、家に帰ると一糸まとわぬ姿になり「スタイルチェックをする」という人も少なくありません。男性では市川海老蔵さん、堂本光一さん、亀梨和也さん、氷川きよしさん。女性ではダレノガレ明美さん、長澤まさみさん、大島優子さん、深田恭子さんなどが該当するようです。さらには、深田恭子さんのように、何も着ない姿で加圧トレーニングを始める人もいます。

 歴史をたどれば、全裸睡眠を初めて告白したのはマリリン・モンローでした。「寝る時に身にまとうのはパジャマではなくシャネルの5番」と香水をつけて寝ていることを告白、世の男性諸氏をトリコにしました。

 家で過ごす場合は、室内の温度調整さえしていれば全裸でもさしつかえないですが、寝る時もすっ裸という全裸睡眠は、プラスになるかならないか、どちらでしょう。

 まず、考慮すべきは寝る時に下着やパジャマを着るか着ないか、その違いは「締めつけ」です。現実的には不可能ですが、睡眠時に限らず、人間の体はできるだけ締めつけないことが大事です。締めつけがないほど血液の循環もよくなり、ストレスもたまりません。その点では、家の中を全裸で過ごすのは健康的に悪いことではありません。

 睡眠時に、人は寝返りを何度も打ちます。パジャマやトレーナーを着ている場合、寝返りを打つたびに着ているものがよじれて体を圧迫します。こうした場合も着ているものが体を締めつけ、ベストな睡眠を得られません。寝返りを打っても締めつけず、朝起きても体を締めつけないようなユルユルのパジャマやTシャツが、寝る時の着衣として理想的です。良質な睡眠とは「いい寝返りが打てること」です。

 つまり、裸で寝るのは締めつける要素がなく、快適な睡眠が得られることとなります。もちろん、この場合は「裸でも寒気がしない室内温度」に加えて「毛布と布団をしっかりかける」ことが条件となります。つまり、全裸睡眠には「快適睡眠の邪魔をする要素がない」と言えます。

 日頃、快適な睡眠が得られない人は一度、全裸睡眠を試してみるといいでしょう。いつもよりよく寝られたら続ければいいですし、寝つきが悪かったり、調子が悪ければやめましょう。

 寝ている際の汗が下着ではなく布団に直接つくため不潔なのでは、と思う人もいるでしょう。しかし、汗が下着につこうと布団に付着しようと、洗濯をしたり布団を干せば済みます。体としての害はありません。

 室温は寒いけれど、布団が重くて寝苦しく、朝起きたら布団をはねのけるケースもあります。そうならないためにも、できるだけ薄い布団が理想です。その点で、保温性があり、軽い羽毛布団は全裸睡眠でも快適な睡眠に欠かせないアイテムとなります。

 また、睡眠時には枕も重要な要素となります。枕が変わると眠れない、という人もいますが、自分に合わない枕で寝ると、肩凝りや筋肉痛の要因となり熟睡感が得られません。沈み込まない低めの枕が理想的です。私はバスタオルを3枚ほど畳んで重ね、7センチぐらいの高さにして寝ます。すると、出張などで枕が変わってもバスタオルを補充すれば、自分に合う枕を作れるのです。

 快適な睡眠をするために、自分に合うスタイル・枕や布団などの寝具を見つけてみてください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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