自主トレ期間中の練習内容は、午前中にランニングメニューやキャッチボールなどチーム全体での練習。午後からはウエートトレーニングというものだが、清宮は居残りでロングティーというメニューにも励んでいる。斜め前方の至近距離から軽くトスしてもらった球を遠くへ飛ばす練習だ。
「緩い球を遠くへ飛ばすためには、体全体を使って大きくスイングすることが求められる。長距離打者にとっては必須とも言えるメニューです。中田翔(28)のロングティー練習を見れば、その打球の迫力に驚きますよ」(スポーツライター)
いきなり中田と比べるのは酷かもしれないが、清宮のロングティーもなかなかのもの。10球に1球くらいの割合で柵越えを放つ日もあった。本人も高校時代からこの練習を好んでいたそうで、「打球の飛距離をしっかり確認できる」と話している。
守備練習では、これまでのところ、高校時代に使い慣れたファーストミットではなく、普通の内野手用グラブを使っている。栗山英樹監督(56)も、投手以外の全ポジションを試す意向を示しているだけに、今後どのポジションで起用されるかにも注目が集まる。
清宮本人も「高校時代、三塁手のエラーで負けてしまった試合もある。三塁の守備というのはそれだけ重要だと思います」と口にし、三塁を含む複数ポジションへの挑戦に意欲を見せているのだ。
「将来的にメジャー挑戦を見据えているのなら、一塁しか守れないとなるとかなり厳しい。三塁や外野を守れるのに越したことはありません。栗山監督も、清宮の将来を見越して、幅を広げてやりたいと考えているのでしょう」(前出・スポーツライター)
清宮の複数ポジション挑戦は、チームメイトにとっても他人事ではない。一塁手のままなら中田が、三塁手転向ならレアード(30)が指名打者に回る可能性が浮上する。しかも、今季から加わる新助っ人のアルシア(26)もポジションは外野か指名打者。清宮がもし外野に回っても、熾烈なポジション争いが待っている。
「不動のセンターである西川遥輝(25)以外は安閑としていられません。昨季、6月に腰痛でリタイアするまで打率4割をキープした近藤健介(24)ですら、外野から入団時のポジションである捕手での出場に意欲を見せているほどです」(前出・スポーツライター)
はたして競争激化でチーム力が向上するのか。いずれにせよ、スーパールーキーが今季の日本ハムの浮沈の鍵を握りそうだが、清宮のプロ野球人生はまだ始まったばかりなのである。