北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督が清宮幸太郎の一軍昇格を明言した。GW中の本拠地・札幌ドームでの5連戦で、いよいよ黄金ルーキーがベールを脱ぐ。
「栗山監督は清宮の一軍昇格に慎重な言い方を続けてきましたが、本心は違いました。二軍で結果を出してからと決めたものの、一日でも早く、と祈るような気持ちでいました」(球界関係者)
しかし、黄金ルーキーの早期昇格は波瀾を起こしそうである。
「他球団がこぞってトレードを申し込んでくるかも。日ハムは戦力の重複を嫌います。清宮と同じタイプの選手が狙われます」(ベテラン記者)
確かに、清宮と“類似する選手”はいる。「左の長距離砲」なら、オープン戦で好成績を残した森山恵佑がいる。同じく左打ちの今井順之助はポジションも重複する。昨季、二軍では主に一塁を守ってきたが、首脳陣の勧めで三塁の守備にも挑戦している。一塁と三塁、左のパワーヒッター。清宮とはキャンプ前から意気投合していたそうだが、余剰人員となる可能性がもっとも高い。
「札幌ドームでの連戦に合わせて昇格を決めたのが意味シンです。日ハムは球場を札幌市に隣接する北広島市への移転を決めました。この問題については、当初は『やっぱり』と落胆する札幌市民が多かったんですが、日が経つにつれ、『北広島と札幌であい見積もりをやったのは姑息だ』という批判的な声も増えてきています」(地元関係者)
北広島に建設する新球場には、札幌市民にも来てもらわなければ採算は取れない。「清宮=札幌デビュー」の足跡も残したかったのではないか。黄金ルーキーの早期昇格には、本拠地移転にかかわる様々な関係先の思惑が交錯していたようにも考えられる。その真相が明らかにされる前に、「4番・一塁」で重複する中田翔の“放出トレード”なんてことにもなるかもしれない。
(スポーツライター・飯山満)