清宮人気が日本ハムベンチに亀裂をもたらしてしまうかもしれない。
プロ野球・オールスターゲームのファン投票が始まっている。インターネットによる投票はもちろん、選手間推薦など新しい選出方法も定着しつつある。従来の投票用紙による投票もまだ残っているが、こちらはポジションごとに記載された選手名から推薦したい選手名のマークを塗りつぶすマークシート方式に改められた。
「各ポジションには1球団につき1名の選手名が記載されています。その選手名を誰にするかという届け出は各球団に任されています」(スポーツ紙記者)
問題は、一塁、指名打者、左翼のポジションを代えてくる北海道日本ハムファイターズが、どの選手を提出したかである。
「日ハムからは一塁・中田翔、指名打者・近藤健介らが推薦され、清宮はマークする選択肢には入っていませんが、記名された名前以外の選手も投票できます。もしかしたら、一塁手部門で、中田と清宮の投票が日ハムファンの間でも割れるのではないか、というわけです」(前出・スポーツ紙記者)
指名打者部門でも、清宮が近藤を食う可能性もある。栗山英樹監督は近藤の復帰後、清宮の処遇について悩んでいた。「一塁・中田、指名打者・清宮」でおさまっていたが、近藤は故障が多い。今回の離脱も外野守備中のアクシデントによるもので、そうなると、近藤は負担の少ない指名打者でしか使えない。
「試験的に中田を左翼に入れましたが、試合後、不慣れな外野守備を愚痴り出す始末。清宮を外野にしたのは中田への配慮と、近藤を含めた3人を球宴に送り出したいからです」(ベテラン記者)
だが、記載外の「一塁・清宮」の投票は少なくないだろう。清宮への投票数が中田を上回れば、まさに下克上。もっとも、清宮自身の投票が左翼、一塁、指名打者で割れて、当確に届かない可能性もあるが、“大谷ロス”を埋めたいと思っているのは日ハムだけではない。監督推薦での清宮の球宴出場は間違いないだろう。球宴で日ハムの看板選手が入れ代わりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)