貴乃花親方の動向には本当に世間の注目が集まっているのか?
2月7日放送の「独占緊急特報!!貴乃花親方 すべてを語る」(テレビ朝日系)が視聴率13.6%をマークし、同時間帯の視聴率トップになったという。貴乃花親方を巡っては2月2日の日本相撲協会の理事選挙において、わずか2票で落選したことが報じられ、世間の耳目を集めたばかり。まさに相撲界のイザコザが世間でもホットな話題になっているかのようだ。しかしテレビと視聴率の事情に詳しいテレビ誌のライターは、今回の高視聴率は様々な条件が組み合わさったラッキーな結果だったと指摘する。
「もちろん今の貴乃花親方が旬な人物であることは間違いない。しかし世間はさほど相撲界のイザコザに興味はないようです。実際、朝の情報番組や夜の報道番組でも相撲関連のニュースより、日本海側を襲う大雪や開幕の迫る平昌五輪関連のほうが視聴者の食いつきがいいと聞いています。その中で今回の貴乃花特番が視聴率を稼いだのは、一つにはライバル番組不在、そしてもう一つは『人気ドラマ』という援軍があったからではないでしょうか」
同特番は午後7時からの放送だったが、確かに裏番組を眺めてみると、日本テレビは「1周回って知らない話」、TBSは「トコトン掘り下げ隊! 生き物にサンキュー!!」、テレビ東京は「ソレダメ!」、そしてフジテレビは「世界の何だコレ!?ミステリー」と並び、これといったライバルがいないことに気づく。実はこの時間帯、普段なら7時からの「おじゃMAP!!」(フジテレビ系)、そして8時からの「くりぃむクイズ ミラクル9」(テレ朝系)が比較的強めの番組。それがこの日はフジは別の特番を差し込み、テレ朝は貴乃花特番に差し変わっていたわけで、言うなればライバル不在の状況になっていたのである。
「そしてもう一つ見逃せないのが、貴乃花特番の後には人気ドラマ『相棒 season16』の第15話が16.9%の高視聴率をマークしていたこと。視聴者の行動パターンとして、特に観たい番組がない時間帯は、その後に観たい番組の局にチャンネルを合わせがちです。この日は『相棒』目当ての視聴者が、早い時間からテレ朝にチャンネルを合わせたケースも少なくなかったはず。その人たちが貴乃花特番の内容までちゃんと観ていたかどうかは疑問ですね」(前出・テレビ誌ライター)
高視聴率にテレ朝や貴乃花親方はホクホク顔だったかもしれないが、親方の主張が世間に伝わったかどうかはいまひとつ疑問のようだ。
(金田麻有)