平昌五輪で2月17日、羽生結弦と宇野昌磨が夢の金銀フィニッシュを決めたフィギュアスケート男子フリーの生中継(NHK)が、瞬間最高視聴率46.0%をマークした。この数字は昨年末の「第68回NHK紅白歌合戦」で安室奈美恵の歌唱時にマークされた48.4%に肉薄するものだ。
ただ大みそかの夜という在宅率の高い時間帯に放送された紅白に比べ、五輪の生中継は土曜日の昼間という在宅率の低い時間帯だったことから、数字の重みで言えば今回のフィギュア中継のほうが上だという声は少なくない。さらに、実際に二人の雄姿を見た人たちの人数で言えば、フィギュア中継のほうが上回っていたかもしれないというのである。女性誌のライターがその瞬間について振り返る。
「その日は子供を連れてテーマパークに行っていたんですけど、フィギュア中継は録画予約していたものの、やはり途中経過や結果はどうしても気になります。肝心の子供も『羽生くんが滑るところを観たいなあ』と言うのでスマホで調べてみたところ、NHKがネットで生配信していることを発見。羽生くんが滑走する予定時刻の少し前から家族みんなでスマホにかぶり付きになりました。そしていよいよ羽生くんの出番となり、最初のジャンプを決めたところで『おーっ!』という声があちこちから聞こえてきたんですよ。驚いて周りを見渡すと、何組もの人たちが同じようにスマホの画面を見つめていました」
今回の平昌五輪ではNHKが、地上波の五輪関連番組を試験提供として生配信。フィギュア男子など多くの競技を外出先でも観ることが可能になっていたのである。羽生のような人気選手の競技では、相当な同時アクセス数を記録したはずだが、そこは皆様のNHK。強力なサーバーを用意したのかパンクせずに済んだようだ。
「宇野くんの演技を見終えた時点でアトラクションの列に並んだのですが、スマホでその後の様子も見続けていたら、隣に並んでいる人から『フィギュアですか?どうでしたか?』と尋ねられました。そこで金銀メダルだと伝えると『やったー!』と大喜び。見知らぬ人との連帯感を感じることができましたね」(前出・女性誌ライター)
まさに安室超えを果たした男子フィギュアシングルの生中継。今後も大型イベントでは同様のネット配信をお願いしたいものだ。
(金田麻有)