「太陽にほえろ!」と言えば、1972年から日本テレビ系で放送された連続刑事ドラマ。主役の石原裕次郎(故人)が演じた、七曲署の捜査第一係長・藤堂俊介を「ボス」、同じく刑事の竜雷太を「ゴリさん」、小野寺昭を「殿下」などとニックネームで呼び合う斬新な設定がウケた。一方、このドラマから萩原健一(故人)、松田優作(故人)といった大スター俳優を多く輩出したことでも話題となり、86年まで放送された長寿の人気ドラマだった。
その「太陽にほえろ!」の初期メンバー「殿下」として出演した俳優の小野寺昭が、俳優で作家の小野寺丈のYouTubeチャンネル〈丈熱BAR〉の1月23日付け投稿回〈【小野寺昭】『太陽にほえろ』の裏側!!萩原健一・松田優作、天才的俳優の素顔とは!?〉とタイトルした投稿回に出演した。
現場で同じ苗字だったことが印象的だったこと進行を深めた2人だが、小野寺昭いわく、当初は2クール(半年間)の予定で放送開始された「太陽に─」だったが、「マカロニ」こと萩原人気の効果も相まって1年に延長。
「オレは半年のつもりだったのに、もう半年やるのかよ~、飽きたよ~」と萩原は愚痴をこぼしていたそうだ。ところが、ドラマの人気はうなぎ上りとなり、さらに延長…ゆえに、1年が経った時点で、萩原から「殉職させてくれ」との申し出があり、「太陽にほえろ!」名物、定期的に訪れる新人刑事の殉職シーンにつながったのだと語られた。
小野寺昭も、刑事以外に芝居ができなくなるとの懸念から、ドラマ降板をプロデューサーに申し出たという。そして、出演から8年が経過した80年、「新人刑事とは違う殉職の仕方を考えてほしい」「あっけなく殉職したい」との小野寺の願いが聞き入れられ、交通事故という設定で“殉職”となったのだそうだ。
派手で特徴的な劇中曲が頭によみがえる、当時を知るファンには実に懐かしく、興味深いエピソードである。
(ユーチューブライター・所ひで)