吉本興業が今度は「eスポーツ」分野に進出だ。「よしもとゲーミング」の名称でeスポーツ事業を展開し、プロゲーマーのマネージメントなどに乗り出すことを、3月7日の記者会見で明らかにした。同社ではプロゲーマーのチームも運営し、「Data2」や「ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT」など4つのゲームで世界を目指していくという。
「eスポーツは対戦型のビデオゲームで戦うことを競技化したもので、海外では1億円プレーヤーも続出するなど、すでにメジャーなイベントになっています。日本では16年に第1回の『日本eスポーツ選手権大会』が開催され、昨年11月にはフジテレビ主催の『Tokyo E-sports Festival』が、3月4日には東海テレビ主催の『Nagoya eSports Festival Vol.0』が行われるなど、テレビ局もそのコンテンツ力に興味を示し始めています」(週刊誌記者)
その意味では吉本のeスポーツ進出は、絶妙かつ先取りのタイミングだと言えそうだ。しかもその裏には同社の壮大なる戦略が見え隠れしているというのである。
「eスポーツは海外ではすでにかなりの認知度があり、平昌五輪開会式の2日前には史上初となる五輪公認のeスポーツ大会が開催されたほど。そのためeスポーツ事業では海外戦略が重要になってきます。その一方で吉本では子会社を通じて、西武から米MLBパドレスに移籍する牧田和久投手や競泳の今井月選手らとマネジメント契約を締結。海外を主戦場に活躍する選手を抱えているのです。もはや日本のお笑い業界を牛耳った吉本が、次なる成長戦略を海外に求めるのは自然な流れ。映像分野でもアメリカのネットフリックスと組んで『火花』を映画化しましたし、それこそピース・綾部祐二のNY移住も、吉本の海外進出における“尖兵”の役割だと考えれば納得ではないでしょうか」(前出・週刊誌記者)
その綾部はNY進出からわずか4カ月で、アメリカ最大のスポーツイベントである「スーパーボウル」の生中継ゲストを務めるなど、活躍ぶりを見せている。吉本が今度、どの分野で海外攻勢を見せるのか。まずは今回のeスポーツ事業に期待が高まるところだろう。
(金田麻有)