対する外国勢は一枚落ちか。秋山氏が続ける。
「日本馬の上位独占もありそうですが(笑)、注目は地元のベンバトル。昨年は英ダービーで5着。今年は1月のGIIIシングスピールS(芝1800メートル)から始動し、先行策から抜け出して優勝。続くGIIアルラシディヤ(芝1800メートル)もあっさりと勝っています」
ただ、前走のGIジェベルハッタ(芝1800メートル)では2着だった。
「終始、外々を回され、負けてなお強し!にも見えますが、正直、前走のメンバーレベルで勝てないようでは‥‥という印象も拭えませんね」(前出・秋山氏)
このレースで内をうまくさばいて勝利したブレアハウスともども、馬券のカギを握りそうだ。
「あとはGIのBCイルで2着したランカスターボンバー。ジワジワと伸びるタイプで、上位に顔を出しても不思議はないですね」(前出・秋山氏)
昨年のGIで28勝と、世界新記録を打ち立てたA・オブライエン調教師の管理馬だけに、要注意の怖い存在だ。
前記したジェンティルドンナのほか、15年ワンアンドオンリー3着、16年ドゥラメンテ2着、ラストインパクト3着と、日本勢が活躍している「シーマクラシック」。牧野氏が今回参戦する日本のGI馬3頭について、こう話す。
「最右翼はダービー馬のレイデオロ。前走の京都記念3着にしても、藤沢調教師は出遅れが響いた結果で、特に心配はしていません。メダルラッシュだった平昌五輪に例えて『出場選手は(本番を)万全で迎えるでしょう』と、愛馬の仕上がりのよさをアピールしていました。カジノドライヴの海外遠征では、体調面から直前の回避をスパッと決断しただけに、出走してくれば頭から狙いたいですね」
サトノクラウンとモズカッチャンも、狙いすましての参戦だ。牧野氏が続ける。
「前者は、陣営が『休み明けがいい』とあえて前哨戦を使わずに挑戦。後者の陣営は『使ってよくなるタイプ』と評し、前走の京都記念は4着に敗れたものの、グッと調子が上がっている点を強調していました」
ただ、このレースには強力な外国勢が待ち構えている。昨年の凱旋門賞2着馬クロスオブスターズだ。
前出・秋山氏の解説。
「レイデオロとの一騎打ちもありそうですね。凱旋門賞こそエネイブルには離されましたが、英GIインターナショナルSの勝ち馬ユリシーズをキッチリとかわした。末脚の切れもすばらしく、馬群でもまれながら抜け出してきた精神力の強さも光ります。今年3月6日の一般戦こそ2着でしたが、あくまでも叩き台。相手もBCターフの勝ち馬タリスマニックだけに、気にする必要はないでしょう」
このコースは先行有利な傾向がある。脚質的に実力馬ポエッツワードやアイダホの1着は厳しそうなだけに、ぜひ、日本勢の優勝を期待したいところだ。