4月21日、羽田空港に到着したのは神妙な面持ちのサッカー前日本代表監督ヴァヒド・ハリルホジッチ氏と、彼の言葉を伝え続けた通訳の樋渡群氏だ。
「選手との間に亀裂があった」として、ロシアW杯を直前に控えながら日本サッカー協会によって代表監督の座を電撃解任されたハリルホジッチ氏は、報道陣に対し「日本に来るときはいつも喜びを持ってきたが…」と切り出すと、長年にわたり監督の腹心として支え合った通訳の樋渡が感極まり、嗚咽。その様子を隣で見ていたハリルホジッチも目頭を隠すためか、外していたサングラスを再びかけ直し、「今回の状況は少し特別なものだ。45年間フットボールに関わってきたが、今のフットボール人生はとても困難なものになっている。私は真実を探しに来た」と語った。
サングラス越しでもハリルホジッチが決して笑顔ではないことは、その声色から十分に伝わる。日本サッカーの発展に努めてきた男の無念の言葉を耳にしたファンもまた、その怒りと不満をサッカー協会へとぶつけている。
「ここまで日本のことを考えてくれていた名将にこの扱いか。なんか間違ってるよな、日本の協会は」「この半泣きコメントを見れば、ハリルがいかに真剣に戦ってきたかがわかる。真剣じゃなかったのは協会だ」「まったく納得いかないし、ファンもハリルホジッチと同じく真実を求めてるよ」
当然ながら、ファンが泣こうがわめこうが、ロシアW杯は6月に否応なく開幕の日を迎えることになる。現在の騒動が、4年に1度の本大会でのパフォーマンスに悪影響を及ぼさなければいいのだが、はたして…。
(ジェイコヴ)