テリー 枝野さんは26歳で弁護士、29歳で政治家に転身していますが、何か理由があるんですか?
枝野 私はもともと政治家になりたかったんです。ですから、どうすればなれるかを逆算して考えて、弁護士になったんです。
テリー ええっ、それはすごいな。どうしてそんなに政治家にこだわったんですか?
枝野 理由は2つあるんですが、まず、多様性が認められる社会を作りたかったんです。日本って、みんな一緒であることを求めるじゃないですか。私は、子供の頃から変わり者だったので、そんな社会では生きにくいと思っていて。
テリー どこらへんが変わっていたんですか。
枝野 小学生で「政治家になりたい」なんて言っているのが、まず変わり者ですよね(苦笑)。そのためにまず弁護士になろうと、当時からランドセルに、小さな六法全書を入れていましたから。
テリー それ、女の子にモテなかったでしょう。
枝野 アハハ、全然ダメでしたね(笑)。一方で歌手になりたい夢もあって中学校では合唱部に入りました。
テリー 振り幅が広いなァ(笑)。歌手だと、誰が好きだったんですか?
枝野 男性だと野口五郎さん。「私鉄沿線」はカラオケの持ち歌で、今も党の若手と意見交換で食事に行くと、必ず二次会はカラオケなんですよ。で、私が歌いまくる(笑)。
テリー 困った上司じゃないですか(笑)。最近は、アイドルも応援してるんでしょう?
枝野 はい、乃木坂46や欅坂46の新曲が出ると、発売日には必ず歌えるようにしています。
テリー ただでさえ忙しいのに、すごいですね。で、もう一つの理由は?
枝野 幼い頃は小児喘息で学校も休みがちだったんですが、そういう時、親は野口英世の伝記を読ませるんですよ(笑)。私も読まされたんですけど、血を見るのが苦手だったので、「お医者さんより、政治家になったほうが多くの命を救える」と考えるようになりました。だから私は、もともと厚生族をやりたかったんですよ。
テリー ああ、そうか。薬害エイズ問題の時に、かなり尽力されましたものね。
枝野 そうです。だから、そこにつながっていくんです。
テリー でも、人を助けるという点で言うなら、与党の立場のほうがやれることは多いじゃないですか。自民党に入ろうとは思わなかったんですか?
枝野 まったく。多感な時にロッキード事件なんかを見ていて、「自民党は時代遅れだな」という感覚をずっと持っていましたから。
テリー なるほど。枝野さんが持っている、そういうアンチ的な部分が、まさにあの時、立憲民主党を作り上げたんですね。逆にいうと、前原さんに感謝しなくちゃね。
枝野 あの局面での前原さんの選択は、大きな方向性として考えると、私は否定していないんです。私自身の考えとは違いますけど、一つの選択肢としてはあるかな、と。
テリー じゃあ、また前原さんと組むこともある?
枝野 広い意味で、野党が連立を組むということがあった時に、排除する理由はないですよね。あと、個人的には、前原さんはカラオケ仲間なので、もうしばらくたったら仕事の話はなしにして、一緒に歌いたいですね(笑)。
◆テリーからひと言
枝野さん、ほんとに歌が好きなんだなぁ(笑)。昭恵さんの国会招致は難しいだろうから、まずカラオケに誘ったらどう? そのぐらい軟らかいほうが、おもしろいよ。