AKB48の指原莉乃までが「坂上&指原の──」で「最近、株を勉強しています」と語っていたように、芸能界でも投資ブームは過熱の一途。とりわけ年季の入った投資芸能人として存在感を放っているのが、昨年、船越英一郎との泥沼離婚騒動で世間を騒がせた松居一代(60)だ。大手投資信託関係者によれば、
「ボビーが理論派として成功しているのとは対照的に、自己暗示によって稼いでいると言えますね。彼女は14年の著書『松居流 マネーの掟』で、中古マンション投資、日本株投資のデイトレード、ブラジル・レアルへの投資などで収益を上げ、バブル崩壊も直感力で乗り切ったとつづっている。でも、その投資法については『世の中の出来事にアンテナを張る』ぐらいしか語っていないんです」
同書で松居が儲けの秘訣として明かすのは、オカルト的な話ばかりだという。
「稼ぐために必要だと強調するのは『お金に感謝の言葉を伝える』『2年から3年に一度、財布の交換をする』『財布を専用布団で休ませる』といったゲン担ぎばかり。拍子抜けしてしまいました」(投資信託関係者)
確かに、これでどうして儲かるのかといぶかしく思わざるをえないが、
「本の内容はともかく、彼女には昔から優秀な投資ブレーンが付いているというのは有名な話。実はそこにポイントがある。投資の世界では、儲ける機会の損失を避けるための継続が非常に大事なんです。松居さんの場合は、取り引きの大事な判断の局面ではブレーンに委ねつつも、金運アップの自己催眠をかけることで投資のモチベーションを抱き続け、長年あらゆる銘柄をチェックして取りこぼしを避けている。これで実際に大きな成果を出しているわけですから、彼女の投資術も一つの正解だと言えるでしょう」(大手投資信託関係者)
著書刊行後、「トランプ相場」で数十億円の利益を手にし、現在は「資産50億円」とも言われる松居。今年暴落した仮想通貨市場には「手を出していなかった」とブログで明かしており、バブル崩壊時と同様に、直感力も健在のようだ。みずからの「投資の師匠」を作ったうえで、長年継続して取り組む「松居式」は、なかなか勉強する時間を確保できないサラリーマン諸氏にとっても、参考にすべきことが多いのではないか。
「お笑い界の投資王」と呼ばれるキャイ~ンの天野ひろゆき(48)は、芸人としてブレイクした20代中頃にマンション投資を始めたのを皮切りに、日本株を中心に取り引き。これまでたびたび、「10億円の資産を保有している」などと報じられ、近年は投資関連本まで刊行している。
「株の買い方はいたってシンプル。一から十まで天野さんのマネをしている芸人も相当いるんですよ」
天野本人から直にレクチャーを受け、日本株投資を実践している中堅芸人はこう明かしたうえで、「天野式」投資哲学について、次のように解説するのだ。
「単純に、自分が使っている商品を出している会社や、もともと好きな会社の株を買うということですね。そのメリットとして、応援している会社の株だと、下落した時に『クソッ、損した!』と悔しがらずに済みますよね。また、自分が好きな商品を出しているということは、何かしらの強みがある、とも考えられる。一ユーザーの肌感覚として、会社の業績のよしあしについても何となく推察できるんです」
チャートを見て、値上がりしそうな銘柄を買うのではなく、あくまでも気に入った企業の銘柄だけにしぼって投資するため、「天野式」では長期保有が基本となる。みずからの肌感覚を信じての、等身大の投資。専門家ではない芸人たちがこぞって模倣するのも理解できよう。