米MLB、シアトル・マリナーズのイチローが5月3日、会長付特別補佐に就任し、今季は試合に出場しないと発表された。このニュースは全米でもトップニュースとして報じられ、イチローが野球の枠を超えて全米に広く知られる存在であることをあらためて実感させる出来事となった。
「イチローは存命人物としてはアメリカで最も有名な日本人かもしれません。彼に匹敵するのは俳優の渡辺謙や映画監督の宮崎駿、そして故ジョン・レノン夫人で芸術家のオノ・ヨーコくらいのものでしょう。スポーツ界では最近、五輪連覇の偉業を達成した羽生結弦の知名度も高まっていますが、イチローの域にはまだ達していないはず。そしてエンゼルスで快進撃を続ける大谷翔平もまだ、野球界でのトピックに留まっています」(アメリカ在住経験のあるライター)
2001年の渡米以来、すでにアメリカ滞在は18年目を数え、プライベートでは流暢な英語で周囲とコミュニケーションを取っているイチロー。さぞやアメリカの生活文化にも通じているのかと思いきや、実は新聞やテレビをほとんど見ていないのでは?と思われるエピソードが伝わってきたという。
「スポーツ情報サイトの『ジ・アスレチック』に5月9日付で掲載された記事によると、イチローは17年春季トレーニングのある日、見知らぬ人物から携帯メールをもらったとコーチに話したとのこと。そこでコーチが『相手の名前は?』と訊ねたところ、『トム・ブレイディとかいうヤツ。どこの誰だい!?』と答えたというのです。そのブレイディは米アメフト界のスーパースターで、スーパーボウルに5回も優勝している現役最高峰の選手。しかも妻はスーパーモデルのジゼル・ブンチェンで、アメリカでは知らない人のいないスーパーカップルです。そのためアメフトに興味がない人でも、アメリカで普通に生活していれば新聞やテレビでブレイディのことは絶対に見聞きしているはず。特にスポーツ欄ではトップ面を飾りまくる大選手ですから、イチローが彼を知らないことには正直、驚きましたね」(前出・ライター)
それこそ日本でいえば、野球に興味がない人でもイチローの名前を知っているのと同じこと。そんな超有名選手のことを知らないとは、イチローはアメリカで相当に浮世離れした野球漬けの生活を送っているようだ。
(金田麻有)