今、日本全国のバーやスナックで、“ウイスキー難民”が続出している。それもそのはず、入手困難で市場から消えてしまった裏で、中国人の「転売屋」が買い漁っていることが発覚したのだ。ウイスキーショックが全国を駆け巡る発端となったのは、サントリーホールディングスが6月以降に順次、国産ウイスキーの「白州12年」と「響17年」の販売休止を明らかにしたこと。経済部記者が語る。
「2000年代前半に低迷を続けていたウイスキーは、08年に炭酸水で割るハイボールの販売に本腰を入れると人気に火がつき、需要が拡大。14年にはウイスキーづくりを舞台にしたNHK朝ドラ『マッサン』の影響で一大ブームになりました。この10年で国内の出荷量が約2倍に増えたのもつかの間、低迷期に想定した予測で原酒を生産していたので、十分な原酒の量を確保できなくなったのです」
ウイスキーは発酵させてから蒸留後、樽につめて熟成するまで10年以上かかるため、対応が間に合わなくなり、苦渋の決断を迫られる形となった。販売再開の時期も未定で、市場から消えてしまうのも時間の問題なのだが、実は、在庫が品薄になった原因には、前述のように、金に目がくらんだ強欲中国人が関係していたというのだ。背景には、ウイスキーバブルが盛り上がる中国の最新事情も関係しているという。6月5日発売のアサヒ芸能6月14日号でその詳細をレポートしている。