昨年の日本大学アメリカンフットボール部員の悪質タックル問題で、2月5日、警視庁が「内田正人前監督、井上奨前コーチが明確な傷害の意図をもって指示したとは認められない」と結論づけたことが、今春の入学予定者に少なからず影響を与えそうだ。
コトの発端は昨年5月6日の日大と関西学院大学の定期戦。日大の男子選手によれば、前日、井上コーチから「1プレー目から(相手の)QB(クオーターバック)を潰せば(試合に)出させてやる」と言われ、当日になり監督に「相手のQBを潰しに行くんで使ってください」と伝えると「やらなきゃ意味ないよ」と念を押された揚げ句、それを実践したという。結果、相手選手は負傷退場し、3週間のケガを負った。
「警視庁の結論は、内田氏と井上氏は完全に“シロ”で“タックルした選手が2人の指導を誤認した”と結論づけている。つまり日大の第三者委員会と関東学生アメリカンフットボール連盟規律委員会が出した“危険なタックルの指示があった”という調査報告、さらに、当のタックルした選手が記者会見などで話した内容などは、すべて否定されたことになります」(アメフト関係者)
日大は騒動により、2018年度の助成金が35%カット、入学志願者も昨年同期から1万5000人減(1月末現在)。さらに内田氏の上司であった田中英壽理事長の“黒い交際”疑惑やら、チアリーディング部のパワハラ問題にまで飛び火した。
「警視庁の2人に対する“容疑なし”の発表は、大学側にとって非常にタイミングが悪いですよ。結局、あの騒ぎは何だったんだと蒸し返されるし、こんな状況では、日大に行こうという新入生が減るのは当然の話で、たとえ入試合格者であっても、逃げられてしまう可能性が高まったのではないか」(前出・アメフト関係者)
内田氏の今後の“逆襲”ぶりも波風を立てそうな気配だ。
(津田昌平)