いつアナタの身を襲うかわからない大震災の恐怖。一大事発生となっても後悔先に立たずとなりかねない。これを読んで実行すれば、九死に一生間違いなしの「サバイバル5カ条」を特別に伝授しよう。
6月18日早朝、通勤のため地下鉄・御堂筋線を利用していた会社員男性が語る。
「電車に乗っていたら、いきなりドカンって下から突き上げたんや。そんなどでかい揺れじゃなかったから、そのまま地下鉄が完全ストップするとは夢にも思わんかった。駅が封鎖され地上に上がったら路頭に迷う人の波。阪神・淡路の時でもこんなパニックにはならんかった」
この不測の事態は、他人事ではない、誰の身にも起こる現実であることをまずは心得ておきたい。
地震発生直後、誰もがすぐに欲しがるのが詳細な災害情報だろう。
災害危機アドバイザーの和田隆昌氏が提唱する。
「東日本大震災でも家族・友人との連絡や情報収集に活躍したのが、ツイッターです。テレビ・ラジオでは大きな被害を受けた場所の情報しか報道しないため、実際にはそれほど役に立たない。その点、ツイッターならば自分の生活圏の情報をピンポイントで集めることができます。ふだんから住まいのある自治体、利用する鉄道などを登録しておけば、いざという時に本当に必要な情報を入手することができる」
ツイッターなどスマートフォンのアプリとなると、若者の専売特許と言って、いまだに使っていない中高年も少なくないだろう。だが、巨大地震の危機管理の視点からは、孫の手を借りてでも携帯でツイッターを利用すべし、なのだ。
とはいえ、SNS情報への過信は諸刃の剣で、危険とは表裏一体とも言える。防災ジャーナリストの渡辺実氏が解説する。
「今回の大阪では、通勤中の人はなかなかテレビ・ラジオなど既存のメディアに触れることができず、SNSで情報を取っている人が多かった。そこで最も怖いのがデマ情報です。熊本地震の際には『ライオンが脱走した』という偽情報が出回りましたが、今回も『シマウマ』のデマがあった。受け手には冷静な判断力が求められます。また、携帯電話が一部不通になりましたが、災害時に安否が確認できる災害伝言板など情報伝達システムは国民全員が知っておくべき」
災害用伝言ダイヤルの番号は「171(イナイ)」。家族で使用法をしっかり確認しておくことが大切だ。
今回の地震による死者5人のうち、ブロック塀の倒壊による死者が2人となるなど衝撃が走った。ブロック塀に限らず、都市直下地震で危ない場所とは?
「地下にいる時に揺れを感じたら、むやみに地上に出てはいけません。実は、地上に比べて揺れる度合いが低く、大きな地下街は非常用電源が備わっているので停電しても安心です。むしろ、慌てて地上に飛び出すと、ビルの外壁やガラスが落下してくる可能性があります。また、同じ商店街でも盲点なのがアーケード街です。アーケードは建物ではなく屋根なので耐震基準を満たしていないところがほとんど。阪神・淡路大地震、熊本地震でもめちゃめちゃに壊れました。看板やネオンが落ちてくる前に近くの建物の中に避難すべきです」(和田氏)
災害時にパニックに陥り、慌てていると命取りになることを肝に銘じておくべきだろう。