日本代表が活躍しているのはサッカーW杯だけではなかった!来年開催されるバスケットボールのワールドカップに向け、現在開催中のアジア地区1次予選にて6月29日、日本代表がオーストラリア代表に79-78で歴史的な勝利を収めた。その会場やテレビ観戦のファンから「八村、半端ないって!」の声援がひっきりなしに送られたという。
オーストラリアは世界ランキング10位でアジアではトップ。対する日本は世界48位、アジアでは8位に過ぎず、本来ならオーストラリアは歯が立たない相手だ。それが今回の予選では序盤から終始主導権を握り、同点になる場面はあったものの一度もリードを許すことはなく、1点差で大金星をあげたのである。
日本代表の強豪撃破に、開場の千葉ポートアリーナは優勝を果たしたがごとくの大歓声に。会場には「八村、半端ないって!」のノボリが立ち、ツイッターでも続々とツイートされていた。サッカー日本代表FW大迫勇也ですっかりおなじみになったパワーワードの「半端ないって」だが、大金星の原動力として救世主のごとく讃えられた日本代表SF/PFの八村塁とは何者なのか。スポーツライターが解説する。
「八村は宮城県の明成高校でエースとして活躍し、全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(現ウインターカップ)で三連覇に貢献。その実力を認められ、バスケの名門として名高いアメリカのゴンザガ大学から奨学金を得て進学しました。多数のNBAプレーヤーを輩出しているゴンザガ大学に日本人が入学するだけでもスゴいことなのに、八村は2年生の昨季、全37試合に出場し、所属カンファレンスのファーストチームにも選出。その実力で主力選手として活躍しているスーパースターなのです。今回のオーストラリア戦でも24得点をあげたほか、守備でも活躍。終了直前には日本勝利を決定づけるダンクシュートを決め、リングにぶら下がりながら雄たけびをあげる気迫でファンを熱狂の渦に巻き込みました」
そのダンクシュートにツイッターでは「完全にゴリラダンクだ!」の声が殺到。人気バスケマンガ「スラムダンク」の赤木剛憲が決める“ゴリラダンク”が現実になったと、ファンを大興奮させたのである。
「ベナン人の父親を持つ八村は身長2メートル3センチの恵まれた体格が武器。本場のアメリカでも当たり負けせず、それでいて日本でのプレーを通じて育まれた規律の高さ(ディシプリン)も強みです。しかもゴンザガ大学への進学に際しては、日本人プレーヤーにとって高い障壁である英語も必死に勉強して習得。アメリカでのプレーではNCAA(全米大学体育協会)が求める成績基準をクリアし続ける必要もあり、まさに文武両道を体現しています。今回のオーストラリア戦では、相手側の現役NBAプレーヤーにも真正面から堂々と渡り合うガチンコ勝負を展開。この調子ならNBAからドラフト指名を受ける可能性は相当に高いでしょう」(前出・スポーツライター)
ワールドカップで決勝トーナメント進出を果たしたサッカーに続き、バスケでも躍進できるか。日本代表の活躍に日本中が湧きたっている。
(金田麻有)