女子受験生の入試得点を一律で減点していたことで、猛烈な批判にさらされている東京医科大学。このニュースを巡って東京医科歯科大学が8月8日、まったく無関係にも関わらずに同大の写真を掲載されているとして、「本学の写真を誤用するメディアへの対応と要望」を公式サイトに掲載した。
東京医科歯科大学ではJapan Today、Financial Times、Newsweekといった具体的なメディア名をあげて、「誤って本学の写真が掲載されていたことが判明」と指摘。「許されざることであると強い憤りを覚えます」と強い調子でメディアによる誤用を非難している。また、TBSでも同様に誤った画像を放送し、謝罪したことも判明しているという。しかし一般人ならともかく、なぜメディアがこういった単純なミスを犯してしまうのか。大学事情に詳しいライターが説明する。
「英語メディアが軒並み東京医科大学と東京医科歯科大学を取り違えたのは、日本の大学に関する知識がないことに加え、両校の英語表記が片や『Tokyo Medical University』、そして『Tokyo Medical and Dental University』と、“Dental”(歯科)の有無でしかないことが原因でしょう。もちろん注意深く調べれば避けられる間違いですが、同様の間違いはカリフォルニア大学とカリフォルニア州立大学、ボストン大学とボストンカレッジなどでも散見されます」
海外のメディアが両校を取り違えてしまうのは、ケアレスミスとはいえ致し方ない面もありそうだ。しかし日本国内のメディアがそんなミスを犯すとは何とも恥ずかしい話。その原因についてテレビ誌のライターが指摘する。
「大学に多少の興味があれば、私立の東京医科大学と国立の東京医科歯科大学を取り違えることはありえません。しかしテレビの制作現場には、大学についてまったく知識がないスタッフも少なくないのが実情です。テレビ局は大学卒ぞろいに思われていますが、現場はほとんどが番組制作会社への丸投げ。そこには高卒や専門学校卒の制作スタッフも少なくない。そんなスタッフが『東京医科大学の正門を撮ってこい!』と上から指示された時、似たような名前の大学を撮ってきてしまうんでしょう」
そんな制作会社のスタッフには、うっかり「日本医科大学」や「東京女子医科大学」の正門を撮ってきてしまわないように気を付けてもらいたいものだ。
(金田麻有)