次々とキャディーを代える松山に対し、「奇行というよりも愚行」と断じるのは、ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏だ。
「今の松山を見ていると、キャディーをパートナーとして尊重しているのか、疑わしい。進藤キャディーは試合会場を下見したり、米ツアーのキャディーたちと親交を深めて情報やデータを集め、黒子に徹しながら松山を支えてきた。悲願のメジャー制覇に欠かせない存在ですよ。17年の全英オープンで優勝したジョーダン・スピースにしても、最終日の13番、キャディーのアドバイスがミラクルショットにつながった」
今季の松山はキャディーだけでなく、ドライバーも次から次に替えて話題を呼んでいる。
「松山は昨季から引き続き、キャロウェイのモデルでスタートしたが、6月に破損。その後は、テーラーメイドやピンのモデルを使い、前年チャンプとして迎えた8月の『WGCブリヂストン招待』からは、キャロウェイの欧州限定モデルに切り替えた。実に今季、5モデル目でした」(ゴルフライター)
松山といえば、帽子のエンブレム「スリクソン」でもわかるように、ダンロップと総合契約しているが、
「松山がスリクソンのヘッドカバーを外すと、他社のエンブレムが光る(笑)。昨季まではそのネームプレートを黒く塗りつぶしていましたが、今年の初め、契約更新時に、『納得したドライバーが完成したら使用する』という旨の異例契約となり、堂々と他社のドライバーを使っている。ちなみに、その契約更新発表の会見もなかったほどです。前代未聞のことでした」(ゴルフライター)
松山は今年6月の国内戦「ダンロップ・スリクソン福島オープン」で、スリクソンモデルを手にしたが、
「研究開発に積極的に参加しているというポーズのように見えて、逆に『国内戦だから使ったのでは?』と皮肉が聞こえてきた。松山は、いい意味で職人肌の完璧主義者ですが、ダメ出しでは『(インパクトの瞬間の)音が違う』というような説明で開発者泣かせ。音域レベルの調整となると、相当な時間を要するそうです」(スポーツ紙記者)
一流スポーツ選手の道具へのこだわりは、時には「変人扱い」されがちだが、
「でも、大切な道具を叩きつけたりはしないでしょう(苦笑)。ゴルフは人間性を磨くスポーツ。ニクラウスもパーマーも、現在世界ランク1位のジョンソンもそんな愚行はしない。日本のトップでいながら寂しく映る点が、そこです。今の彼は、まさに唯我独尊。悲願のメジャー制覇のためにも進藤キャディーとの関係を修復して、すばらしいクラブを手に入れ、誰からも好かれるプレーヤーになってほしい」(宮崎氏)
強さと優しさを秘めた変人であってほしいのだが‥‥。