7月27日より劇場公開されている山下智久主演「劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」が、去る9月9日の時点で興行収入86憶円と、いよいよ興収100億円を突破しそうだという。アニメを除く邦画としては、近年ヒットした「シン・ゴジラ」の83億円を抜いて、歴代6位に躍り出た。2008年にフジテレビ系で始まったドラマ「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」は、3rdseasonまでシリーズ化。映画化は今回が初めてとなる。
同映画について、「5人の成長物語として、涙が止まらなかった…」といった賛辞はもちろん多い。だが、一方で、ネットには「エピソードを詰め込み過ぎ!」「見どころは、ガッキー(新垣結衣)が可愛いかったことだけ…」「山Pはかっこ良かったけど…」といった否定的な意見も少なくないのだ。もしかすると当初の見込みより、興収の伸びがゆるやかなのは、このあたりに理由があるのかもしれない。映画ライターが言う。
「まず、血がこれでもかと出てくるシーンが多すぎ、ドラマを見慣れていないと、初めて観る人や子どもたちには抵抗感が強いようです。例えば、花嫁がウエディングドレスを着ていると真っ白いドレスの上に真っ赤な血を大量に吐き、手術台に乗せられ、そのドレスをハサミで真っ二つに切っていく目も当てられないお約束のような展開にはドン引きしました。他にも、かたせ梨乃がアル中の母親役で出てきますが、登場シーンで頭に包丁のかなりの長さが突き刺さっており、さらにかたせ本人がそれを自分で簡単に引っこ抜いて、血がドバドバと出てくる、という『何かのコントか!?』と思わずにいられなかったシーンもありました。主役5人のプライベートな部分にもそれぞれスポットを当てているのですが、ドラマを最初から観ていた人たちにとっては、すんなり合点がいくところもあるでしょう。ただ、それを割り引いても、各々のエピソードの背景を描き切れず散漫になっている印象が拭えません」
いろいろ事件や事故が起こったが、結局一番何が言いたかったのか? 命の大切さを訴え、主役5人の成長物語ではあるのだろうが、観終わった後にスッキリとしなかった、という感想もネットでは見られた。もしかして、わかりにくいところをあえて作って、過去のドラマ版のDVDなどを見て勉強するように仕向ける戦略!?
(島花鈴)