親がメタボや肥満症だと子供も、というのが、遺伝的な理由かとも思ってしまうが、旦那がメタボだと奥さんもメタボになる確率は高い。何とメタボが伝染するというのだ。
今年1月に発表された米・南カリフォルニア大学経済/社会センターのAshlesha Datar氏らの調査によると「周囲に太っている人が多いと肥満になりやすい」という。また、ハーバード大学の元教授であるニコラス・クリスタキス氏の調査、研究によれば、肥満になる人は、配偶者が肥満の場合は37%増加、兄弟姉妹だと40%増加、友人だと57%増加したとのこと。
〈Aが肥満だった場合、約50%の確率でその友達Bは肥満になる。Bの友達であるCは、Aと直接関係がなくても20%の確率で肥満になる。さらに、Cの友達であるDは、AとBと直接関係がなくても10%の確率で肥満になる〉
肥満はつながりを介して「伝染」していくというのだ。そして、この伝染、連鎖の原因は「社会的」なつながりだという。米テキサス大学サウスウェスタン医療センター助教授のLona Sandon氏は、大半の人の場合が、自分の行動は自分でコントロールしていると信じ込んでいるのだと言っている。しかし、東京大学高齢社会総合研究機構・村山洋史特任講師はこう述べてもいる。
「肥満の人が近い関係にいると、その人の考えや行動様式に影響される。肥満に対する認識や態度が寛容に変化する」
肥満はつながりを介してどんどん「伝染」していくのだ。逆に、「肥満を、解消したかったら健康的な習慣を持つ新しい友人を作るといい」(村山講師)そうである
でも、類は友を呼ぶともいうしなあ…。
(谷川渓)