ただ、コンピュータはどうも苦手で‥‥という人も多いのではないだろうか。そこで予想ソフトを使わなくても勝ちにつながる“最新のファクター”をB氏に教えてもらった。
「例えば、中山芝1600メートルは『内枠有利』が定説ですよね。新聞や専門紙などにも『外枠は絶対に不利』と書かれています。ですが『馬券的にはどうか』と疑うだけで勝ち組の仲間入りです。昨年の朝日杯FSはどうでした?
勝ったのは7枠14番の馬です」
2着は3枠5番(1番人気)、3着は2枠3番(3番人気)と内枠の馬が馬券に絡んだが、M・デムーロが騎乗して1着になったロゴタイプは、7番人気で単勝3450円。3連複こそ4530円だったが、3連単はその12倍の5万4880円もついた。
「過剰人気になりやすい外国人ジョッキーが騎乗していたとは思えないほど不人気でしたね。いちおう抑えようというファン心理から3連複や3連単の3着づけは売れていましたけどね。ただ、昨年(12月16日終了時点)、1枠から3枠の出走馬316頭の単勝を仮に1万円ずつ購入すると135万円にしかならず、181万円の負け。一方、4枠より外の馬600頭の単勝を買っていれば726万円となり、126万円のプラスになるんです。これは競馬ファンが内枠を重視する傾向と、騎手によっては外枠からでも勝てる作戦を日々練っている結果と言えるでしょう。大切なのは『どのくらい不利なのか』を数値化してソフトを制作し、お得な馬よりお得な馬券を選択し、儲けるわけです」
ちなみに、その日の新馬戦でも大外枠で12番人気の16番が勝ち、単勝8160円、3連単( 16 ─4─14)は91万9100円だった。「内枠狙いなら京都芝1600メートルのほうがおいしい。特に一昨年の1枠の単勝回収率は140%オーバーでした。ただ、この時期の芝の短距離戦は全て内枠有利の傾向のため、多くの媒体で鉄則と書かれ、今年は多少うまみに欠ける可能性もありますけどね」
また、予想家などのコメントに注目し、疑うことも馬券攻略のポイントだという。
「例えば、昨年のリーディングに輝いた浜中俊騎手は今、2度目の“馬券的な旬”を迎えています。彼は武豊騎手の記録を塗り替えて新人王に輝いた三浦皇成騎手と同期で、デビュー時はその陰に隠れていました。が、デビュー年度こそが最も配当妙味のあった時期でした。後半は“乗れる新人”として注目されてしまいましたけど、『浜中は芝よりダートで勝負』と気づいた人はホクホクだったと思います」
浜中騎手の当時のデータを見ると、ダートでの単勝回収率が116%、複勝率は115%だが、芝はどちらも50%前後まで下がる。
「今、その数値が逆転しています。予想家たちが『追える浜中はダートに強い』と言い続けたために馬券が売れ、ダートの数値は75%前後にまで落ちてしまいました。でも、芝の数値が大幅アップして単勝回収率は116%。芝のほうがおいしい思いができます」
また、意外なところでは、レース結果しだいで次のレースのオッズに変動が起こることもあるという。
「オッズ解析からうまみのある馬券を導き出すソフトは、最終レースで威力を発揮します。これはファンの心理状態を逆手に取ったものです。メインが堅めの決着なら、最終レースも本命サイドの馬券をオススメします。儲かった本命党が帰りの混雑を気にしたりして見送るケースが増えるし、負け組は人気馬同士の馬券を外す傾向が強まるんです」
中山開催は1月20日でいったん終了するが、2月23日から舞台が戻る。京都は2月17日までの開催。予想ソフトがない人でも「最新馬券術」を試すいいチャンスかもしれない。