芸能

天才テリー伊藤対談「脳みそ夫」(3)自信の脳みそネタから方針を変えて

テリー そこまでドハマリしたパチプロを、どうしてやめることになるの。

みそ夫 2年ぐらいたったある日、8万円も負けてしまった時に、ふと考えたんです。同世代の友達はみんな外で忙しく働いているのに、自分はどうなんだ、と。毎日天気がよくても悪くても、朝10時から夜の10時くらいまで、人とまったく触れ合わず、暗い店内でずっと台の前に座ってただハンドルをひねっている人生を、自分は望んでいなかったことに気づいたんですよ。

テリー 逆にそんな生活、よく2年間も続けられたよね。

みそ夫 今考えると、本当にムダな時間を過ごしていたなと思います。そこで「もう一度、お笑いをやりたい」という気持ちが再燃して、人生も一度だからここで挑戦してやろうと、元落研の仲間とコンビを組んで活動を再開しました。でも、人間2人のコンビ形態はもう古い、そればかりが気になっていたんです。

テリー それ、さっきも言っていたよね。ボケ・ツッコミのスタイルが好きじゃないんだ。

みそ夫 というより、僕の中で「お笑いは何か新しいスタイルを提示するもの」という意識が強くて。特にその頃は、何でもいいから新しいものを作らなきゃいけない、と勝手に思い込んでいたんですよ。

テリー でも、ある程度の基本を押さえておかないとお客さんが理解できないからね。

みそ夫 まさにテリーさんがおっしゃるとおりなんですが、当時はまったくそこまで頭が回らなくて‥‥。それで「不慮の事故で培養液に浮かんだ脳だけの姿になった相方」という設定を作って、自分で作った脳みその模型を浮かべた水槽と並んで漫才をしたんです。見た目にもパンチがありますし、「さすがに、脳みそとコンビを組んでいるヤツはいないだろう!」と思ったわけです。

テリー あ、それで芸名が「脳みそ夫」なんだ。

みそ夫 そうです。「脳」と「みそ夫」のコンビで「脳みそ夫」。

テリー そのネタ、俺、昔見たことあるな。

みそ夫 テリーさんが、何かのテレビ番組で当時の僕のネタを見てホメていた、と友達に聞いて、それがすごく励みになりました。

テリー そんなこと、あったかもね。で、その路線の手応えはどうだったの。

みそ夫 8年くらいそんな感じでやっていたんですけど、ブレイクの気配がまったくなくて。

テリー フフフ、やっぱりちょっと斬新すぎたか。

みそ夫 それまでフリーでやっていたので、さすがにどこかの事務所に入らないとダメかな、と気づきました。そこから、いろんな事務所を回ったんですが、拾ってくれたのはタイタンだけでした。

テリー 爆笑問題の事務所じゃないの。さすがだね。

みそ夫 でも、自信の脳みそネタでは合格しなかったんですよ(苦笑)。そこからいろいろ試行錯誤して、「昭和にありそうなCMのパロディ」「有名人の半生を完全な想像で振り返る」といったネタで、やっと認めてもらえました。

テリー 新たなネタを開拓できたんだ。

みそ夫 はい。そこで、ただ脳みそをいじるより、自分自身の体を使って派手なことをやったほうがおもしろいんじゃないか、というふうに思い始めたんです。

テリー なるほど、そこから「OL聖徳太子」なんかの今のネタにつながっていくんだね。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
巨人・坂本勇人「2億4000万円申告漏れ」発覚で「もう代役・中山礼都の成長に期待するしかない」
2
青柳晃洋「マイナー登板でも大乱調」の暗闇…また「有原式」「上沢式」が発動されるのか
3
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
4
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」
5
フジテレビ衝撃の報告書に登場する「タレントU」は「引退」を口にした!当てはまる人物は…