テリー そもそもお笑いへの道を歩み始めたのは、法政大学の時に入った落語研究会がきっかけらしいね。
みそ夫 僕なんかはその中でも色物で、コンビを組んで漫才やコントをやっていたんです。それを浅井企画の方が見てくださって、当時、お誘いもいただいたんですが、お断りしたんです。
テリー えっ、普通だったら大喜びでしょう。
みそ夫 端的に言えば、当時は自信がなかっただけなんです。もちろん、お話をいただいた時は「やったっす!」と言いたいくらいにうれしかったんですけれども、「人間と人間が組んだコンビが無数にいる中で、あえて僕らがやる意味なんてあるのかな」なんて思ったんですよ。
テリー でも、お笑いはやりたかったんだよね?
みそ夫 その時、ちょうどパチプロにもなりたかったんですよ。なので、就職もしないで、しばらくはパチンコで生活していたんです。
テリー お笑いとパチンコをてんびんにかけて、パチンコを選んだと(笑)。俺、全然賭け事に疎いんだけど、パチンコって実際のところ、儲かるの?
みそ夫 その時はパチンコだけで、普通に生活できていました。
テリー ええっ、そんなに稼げちゃうものなんだ。
みそ夫 パチンコ業界も、わりと好景気だったので‥‥。
テリー そんなに稼いじゃうパチプロは、店にとってはやっかいじゃない。追い出されたりはしないの?
みそ夫 やんわりと注意されることはありましたね。例えば、普通、球は1発だけしか当たり=賞球口に入らないんですが、ハンドルを細かく操作すると2発入れられるテクニックがあるんですよ。それをやっていると、「うちでは禁止だから」なんて言われたり。
テリー へぇ、それって別に違法なことをしているわけじゃないんでしょう。
みそ夫 お店の言い分としては、「そういうことをやらない前提で、こちらは釘を調整しているから」だそうです。
テリー やっぱり玉がいっぱい出ていると、そういうことを言われちゃうんだ。
みそ夫 そうなんですよ、負けている時は何も言わないくせに(笑)。それは、ちょっと腹立たしかったですね。
テリー パチンコ屋といえば、開店前から並んでいる人がいるけど、みそ夫さんもああいうことをやった?
みそ夫 はい。新宿・歌舞伎町のお店で新台入れ替えの時に、夜中の12時から並んで待ったことがありますね。
テリー 10時間も待ったのか、それはすごい。だけど実際、いち早く店に入ったところで、どの台が出るかはパッと見でわかるわけじゃないんでしょう。
みそ夫 やっぱり運に任せるところはあって、店に入ったと同時にすばやく釘を見て、めぼしい台にタバコを置いて押さえちゃうんですよ。
テリー そんなこと、何台もやっちゃったら怒られちゃうよね。
みそ夫 さすがに2~3台ぐらいです。でも、すごい人になると、目当ての台に遠くからタバコを投げてきたりして。
テリー 台に着くまで、もどかしくて? しかし、離れていて釘の調子なんてわかるものなのかな。
みそ夫 少なくとも僕にはわからないです(笑)。
テリー ハハハハ、初めて聞く話ばかりで、すごく新鮮だよ。そういうネタもコントでやってほしいな。