先の朝日杯FSが阪神に移ったことにより、ホープフルSが昨年からGIに昇格したのは皆様もご承知のとおり。
中山のマイル戦は、おむすび状のトリッキーなコース形態であることから、枠順による有利、不利が歴然。よって、公正を期すことから朝日杯FSが阪神で行われるようになったわけだ。
その穴を埋めるかのようにGI戦となり、春のクラシックに結びつくレースとしての価値は、より底上げされたが、一昨年の覇者レイデオロは、昨年のダービー馬となっている。
朝日杯FSがマイル戦であることから、あくまでも2歳馬の総決算という趣が強く、このホープフルSこそ、来春の皐月賞、ダービーを占うべく重要なGIとして、よりファンが関心を抱く競馬となったとみていいだろう。
ラジオNIKKEI杯2歳Sから現在の名称に変更され、舞台が阪神から中山へ移った14年以降の過去4年間、1番人気馬は2勝(2着1回)、2番人気馬は1着1回(2着0回)と、それまで以上に有力馬が期待に応えている。
クラシックに直結する重要な一里塚的なGI戦であるとみれば、無謀な穴狙いは避けるべきであろう。
では、顔ぶれを見てみよう。目下3連勝中で、札幌2歳S、東スポ杯2歳Sと重賞を連覇しているニシノデイジーが最右翼だろうか。この馬に続くのは、未勝利-特別戦を連勝中のアドマイヤジャスタ、そして新馬-特別戦と2戦土つかずの良血サートゥルナーリア、前走の黄菊賞を完勝したコスモカレンドゥラ、さらには、ミッキーブラックが人気になるのだろう。
いずれもクラシック級の大器で、将来性確かな力量馬と思えるだけに、大きく荒れることはあるまい。
が、それでも穴党としてイチオシしたいのは、ヴァンドギャルドだ。
460キロと牡馬としてはそう大きくないが、均斉の取れた好馬体の持ち主で、とにかく見栄えがいい。それだけで素質のよさが感じ取れるが、恐らく前述した強敵相手にも、断じてヒケは取らないと見ている。
前走の東スポ杯2歳Sの際もサンスポ紙上で本命視して注目していたが、ニシノデイジーにアタマ差及ばずの3着惜敗。しかし、それは位置取りの差や仕掛けのタイミングが悪かったまで。そうみているが、わずか一戦のキャリアであわやの結果だったのだから、能力の高さは推して知るべしだろう。
「デビュー戦は、まだ仕上がり途上。道中も気を抜く場面が再三あった。それでもいざ追いだしたら、あっさりだったからね。期待どおり、いや、それ以上。素質はかなりのものと言っていい」
こう高い評価を与え、期待を込めるのは、他でもない藤原英調教師だが、なるほど、1週前の追い切りは軽快かつリズミカルで、文句なしの動きを披露。状態のよさを誇示していた。使われるたびによくなっているのは明らかで、臨戦態勢は万全と見ていいだろう。
近親、一族にドントフォーゲットミー(英・愛2000ギニー)など活躍馬が多くいる良血。良馬場条件に大きく狙ってみたい。
相手は当然、前述した有力、人気どころということになるが、中でもサートゥルナーリアは、断じて軽く見ることはできない。女傑シーザリオ産駒でノビシロ十分。中間も順調で、連下の筆頭に挙げたい。