横綱・稀勢の里が1月16日、引退を表明した。19年ぶりに誕生した日本出身力士の引退に、日本中から惜しむ声が上がっている。そして、それと同時に稀勢の里の引退コメントにも絶賛の声が上がっているのだ。
稀勢の里は16日に国技館で会見を行い、「横綱としてみなさまの期待に添えられないのは悔いが残りますが、私の土俵人生において一片の悔いもございません」と語った。
「横綱のコメントにある『一片の悔いもございません』というのは、漫画『北斗の拳』に登場するラオウが、死ぬ時に言うセリフです。ラオウは『我が生涯に一片の悔いなし!!』と言って拳を突き上げ、天を貫いて死んでいく。北斗の拳の名シーンのひとつです。稀勢の里はこのラオウのセリフを使ったのでしょう」(週刊誌記者)
稀勢の里は「北斗の拳」のファンで、原哲夫氏と武論尊氏、漫画の出版を手がけるコアミックス社から北斗の拳のキャラクターが描かれた化粧まわしを送られている。稀勢の里はラオウ、太刀持ちの高安がケンシロウ、露払いの松鳳山がトキの化粧まわしをつけ、土俵入りしたこともあった。
「引退のコメントにラオウのセリフを使ったことで、稀勢の里の“北斗の拳愛”が本物であることがわかりました。それをファンは喜んでいます。引退コメントにラオウのセリフを使うなんて、ニワカにはできませんからね」(前出・週刊誌記者)
稀勢の里の引退は残念だが、潔い身の引き方はラオウの人生そのものと言ってよさそうだ。