社会

長寿喚起ワイド「老化現象ロードマップ」(1)<老いの訪れ>人間は20代からすでに衰えが始まっている

 誰しも老化は訪れる。どうせなら、うまくつきあって健康長寿を目指したい。

「男性の老化が現れる順番は歯、下半身、目と言われているように、老化はまず歯がダメになることから始まり、下半身、目と続く。この衰えが老化のシグナルなんです」(帯津三敬病院・帯津良一院長)

 順番は人によって変わることもあるだろうが、加齢とともに他の機能も衰えてくる。筋力、神経伝導速度、肺活量、病気に対する抵抗力など、さまざまな生理機能の低下が見られるようになる。老化の原因には諸説あるが、医療ジャーナリストの谷川渓氏が解説する。

「老化を引き起こす特定の遺伝子が存在するというものや、ミトコンドリアで産生される活性酸素が細胞に障害を引き起こすという説、たんぱく質や脂質が糖と結びつくことで老化促進物質であるAGEを作り出す糖化説など、さまざまな仮説が立てられているが、まだ解明されていない」

 原因はわからずとも、確実に老化は進む。それでは、どのように老化は進行するのか──。

 渡辺医院の渡辺完爾院長が語る。

「生物は子孫を残すことが最優先の目的。生殖年齢に達したあとには老化が始まります。人の場合は20代から老化が始まるといい、実際、男性ホルモン・テストステロンの量も20代をピークに下降線をたどり、70代では半減します」

 そして脳も20歳でピークに達し、その後はゆっくりと重量が減っていき、70~80歳でピーク時の約5~10%が減少する。特に記憶や判断の機能をつかさどる大脳の前頭葉や側頭葉は萎縮が激しく、20歳を過ぎると1日に10万個の神経細胞が死滅し、90歳で半減すると言われている。

 そして40代に入ると、老化の現象は一挙に現れてくる。

「中国前漢代に編纂され、最古の医学書と言われる『黄帝内経』に、男性は8の倍数の年齢の時に節目を迎え、体に変化が訪れると書かれている。やはり、40歳で体力や毛髪の成長にかげりが見え始めると記されているのです」(谷川氏)

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