ゆりやんレトリィバァが、アメリカで開催されたIT・映画・音楽の巨大イベント「SXSW」(サウス・バイ・サウスウエスト)にて、得意のものまね芸などを披露した。朝日新聞社のウィズニュースでは3月15日付の記事で、ゆりやんがアンジェリーナ・ジョリーのものまねや客いじりを披露したと伝えている。
ゆりやんが登場したのは、日本独自の文化や世界観を紹介する日本館の「The New Japan Islands」。この日本館には吉本興業が協賛しており、3月9日開催のステージにゆりやんが出演したものだ。そこで披露した芸について、アメリカ在住経験のあるライターがマユをひそめながら言う。
「ウィズニュースの記事に『外国人は、ポカーンです』とあったように、ゆりやんのものまねは現地のアメリカ人には受け入れられなかったようです。というのもアメリカでのものまね芸は、完璧な歌まねで客を感心させたり、もしくはトランプ大統領を揶揄するといった風刺ネタがほとんど。ゆりやんのように、似ているかどうかとは別のところで笑いを取るスタイルはなく、アメリカ人には何がおもしろいのか以前に、彼女が何をやろうとしているのかも理解できなかったかもしれません」
これだけなら単に、芸風が客と合わなくてダダすべりしただけとも言える。だがその他の芸はアメリカ現地で拒否されかねない危険性をはらんでいたという。日本館を統括するメディアアーティストの落合陽一氏が3月10日にツイートした動画について、前出のライターが続ける。
「落合氏が投稿したのは、ゆりやんがおなじみの星条旗水着を着てパフォーマンスしているシーンで、こちらでも観客から笑いは起こっていませんでした。日本だとおデブ体型のゆりやんが胸のこぼれそうな艶っぽい水着を着て『調子乗っちゃって』いる姿が笑いのポイントとなりますが、アメリカ人には不快にしか感じられないのです。まず、お笑いのステージで性をアピールすることがご法度ですし、ゆりやんの芸自体が容姿差別や性差別を助長しているとみなされかねません。今回は日本館という日本文化に興味のある人が集まる場だからよかったものの、同じことを普通のコメディハウスでやったら、大ブーイングに包まれていたのではないでしょうか」
なお、そんなゆりやんの芸とは関係なく、日本館そのものは大盛況かつ高評価だったという。どうやらゆりやんはアメリカのエンタメ業界に爪痕を残すには至らなかったようだ。
(金田麻有)