俳優の萩原健一さんが3月26日に急逝していたとの速報が日本中を駆け抜けた3月28日の夜、驚きと悲しみの声があがっていたのと同時に、ネット上では大きな事件が起きていた。ピエール瀧被告とともに電気グルーヴとして活動している石野卓球が“ワイドショー”に対し、一石を投じたのだ。
石野は瀧被告が3月12日に緊急逮捕された2日後の14日、自身がソロで出演予定だったイベントの中止告知文とともに〈だとよ〉とだけツイッターに投稿。21日には、人気アニメ「ポプテピピック」(TOKYO MX)のキャラをパロディにして、大泣きしながら「容疑者!!」と叫んでいる画像を投稿。23日には、まことしやかにささやかれ始めた「瀧被告の次は自分が毛髪採取による薬物検査をされると思った石野が頭を丸めたらしい」との噂を訂正するかのように、サングラスをかけた自撮り写真とともに〈頭丸めてないよ〉投稿。さらに同日、「電」の文字を丸で囲んだタトゥーを入れた腕の写真とともに〈あと51歳初Tattoo入れました!〉〈Zin‐sayは電気グルーヴ、電気グルーヴは人生〉〈真似すんなよ〉と投稿。ちなみに「人生」とは、石野や瀧被告らが組んでいた電気グルーヴの前身バンドの名前だ。
24日には、アマゾンやタワーレコード、アップルミュージックなどのCDやストリーミングサービスで楽曲が購入できるサイトのリンクとともに〈電気グルーヴは出荷停止だけど石野卓球ソロは売ってる(容疑者がいないので)〉と投稿。さらに同日、今年1月11日放送の「アナザースカイ」(日本テレビ系)に電気グルーヴとして出演した時、ベルリンで瀧被告と一緒に撮った写真1枚と、それとまったく同じ背景、構図のまま石野1人だけが写る写真1枚の合計2枚の写真とともに〈容疑者部分をカットして撮り直し〉と投稿。
石野によるこれらの「ツイッター投稿」に対し、3月25日放送の「バイキング」「直撃LIVEグッディ!」(いずれもフジテレビ系)では、「謝罪しない石野はおかしい」と言わんばかりの“口撃”が展開された。翌26日夜には、インターネットストリーミング配信サイト「DOMMUNE」で電気グルーヴの楽曲だけを5時間流し続けるDJイベント「DJ Plays“電気グルーヴ”ONLY」が緊急開催。番組の最後には「WHO IS MUSIC FOR? MUSIC IS FOR EVERYONE!(音楽は誰のもの? みんなのもの!)」のメッセージが表示され、累計およそ47万人が視聴。ツイッタートレンドは日本で1位、世界で4位を記録したのだが、28日放送の「バイキング」では「DOMMUNE」の売名行為のためのイベントだったのでは、と言っているかのような論調で番組が進行。
この番組が始まる直前にネットニュースサイト「LITERA」より配信された「ピエール瀧逮捕でワイドショーが石野卓球に『謝れ』攻撃の異常」の記事を、夜になって石野がツイッター上で紹介。さらに〈猥奴ショー〉と投稿。これに称賛が集まっているのだ。
「連帯責任を美徳とする日本において、石野による一連のツイッター投稿は批判されても仕方がないかもしれません。しかし、連日にわたり、石野に謝罪を強要するかのような言葉を誰もが視聴できるテレビ番組で繰り返し放送することは、言葉の暴力であり、マスコミの暴力と言えるでしょう」(女性誌記者)
石野が「世間」という名の見えない圧力に屈せず、我が道を進み続けられるよう見守りたい。