今週から東京、京都開催に移るが、4週続いたGI戦は谷間に入って小休止。とはいうものの、来週から安田記念まで怒濤のGI6連戦(6週連続)。春爛漫とともに競馬シーズンは頂点を迎える。
その東京開幕週のメインは、サンスポ賞フローラS。周知のとおりオークストライアル(2着までに優先出走権が与えられる)だが、いわば第2グループによる争い。桜花賞組や、その他の一線級の顔ぶれは見られず、難解な一戦だ。
しかも東京の芝2000メートル戦は、中山のマイル戦と同様、多頭数になるほど、外枠の馬は競馬をしづらくなる。2コーナーのポケットからのスタートで、加速がついたところで急に折れる最初のコーナー(2角)に出くわすからで、ハジかれたり膨れたりして、外枠の馬はスムーズな競馬ができないからだ。
ただ、大外(8枠)だと、無謀な先行争いを避け、一か八かのしまい勝負に賭けるので、意外に連対を果たしてもいる。それに対して7枠に入った馬は、ほとんど連に絡んでいない点は注意されたし。
いずれにせよ、中山のマイル戦同様、真ん中より内めの枠を引いた馬に有利であることは留意すべきだ。中穴傾向の重賞ではあるが、ままにのけぞるような大穴が飛び出ることがあるのも枠順による有利、不利が小さくないからだろう。
馬単が導入された03年以降、これまでの16年間、その馬単での万馬券は6回(馬連5回)。この間、1番人気馬は6勝(2着2回)、2番人気馬は3勝(2着3回)。1、2番人気馬のワンツー決着は4回で、とんでもない人気薄の馬がよく連に絡んでいる。人気、有力どころから人気薄へ──というのが、馬券の筋論ということになるだろうか。
ということで、真ん中より内めの好枠に入ることを条件に狙ってみたいのは、シャドウディーヴァだ。
前走のフラワーCは、3番人気に支持され4着に敗れたが、これは勝ったコントラチェックが楽なペースで逃げ切ったもの。この馬には展開がまったくもって向かなかった。
というより、初めて経験する小回りの中山コースで出遅れて後方からの競馬。ハナから勝負にならなかったと言ってよい。むしろ、よく4着に追い上げたものと評価すべきだ。
陣営は、すぐさまこのレースに目標を据えて調整してきただけに、この中間の状態はすこぶる付きにいい。1週前の追い切りも軽快かつリズミカル。文句なしだった。
「心身ともにたくましくなって実にいい雰囲気。距離が延びていいタイプだし、楽しみにしている」
斎藤誠調教師はこう言って期待感をにじませる。
休み明けを使われて3戦目で、〈1 2 1 0〉と得意とする東京が舞台なら、チャンスがあっていい。
曾祖母クンダリニはGI勝ち馬で、全欧古牝馬女王のクーヨンガ(GI愛1000ギニー、GIエクリプスS)が近親にいる良血。良馬場と好枠を条件に、大きく狙ってみたい。
穴中の穴は、レオンドーロだ。期待された前走のひめさゆり賞は、クビの上げ下げで写真判定の末、敗れてしまったが、最速の上がり脚で勝ったも同然のレース。ここは中1週となるため体調がどうなのか、そのあたりが微妙で難しいが、レース当日、体重が大きく減っていなければ力を出せるはず。
厩舎では早くから期待されていた素質の持ち主で、名種牡馬カーリアン(仏ダービーなどGI2勝)が近親にいる血筋。勝負強さがあり、“一発”があっても不思議はない。