韓国現地メディアもヒートアップしている。「中央日報」では、同じ「スモールベースボール」を掲げながら、日韓には大きな違いがあるとし、山本浩二監督(66)の代表選出をやり玉にあげていた。いわく、両リーグの盗塁王、大島と聖澤を落選させたことで、〈積極的な走塁プレーが必要な状況で走れる選手が少ないというのは、日本代表の弱点となる可能性もある〉と指摘。〈山本監督のスモールベースボールは1点を取るのも苦労しそうだ〉と断罪したのである。
侍ジャパンで昨季20盗塁以上したのは、本多雄一(28)、糸井嘉男(31)、長野久義(28)の3名のみ。44盗塁した李イ容ヨン圭ギュを含む6名をそろえた韓国代表とは、戦術面で違いが出そうだ。
さらに気になるのは、ほかならぬ山本監督が、世界と対峙するオーラを感じさせないことである。
韓国プロ野球専門のジャーナリスト・室井昌也氏が言う。
「2月18日に韓国代表の柳仲逸〈リュジュンイル〉監督(49)に山本監督の年齢を聞かれて、『星野仙一さんと同い年だ』と教えたところ、『そんな年なのか。どういう選手だった?』と逆取材されたので、広島のスター選手だったことを伝えたのですが、『ああ、そう』と‥‥」
お隣の韓国でこの知名度なのだから、メジャー球界でまったく無名なのは当然だろう。
「トーリ監督は、山本監督の就任が決まった際に『コージ・ヤマモト? 誰?』と首をかしげたそうです。ラーキン監督も『申し訳ないが、あまり知らない』と同様の反応で、のちに公式コメントを発表した時には2人とも知っていたふうに持ち上げていましたが、“上から目線”は明らか。サダハル・オーやタツノリ・ハラよりも、飲んでかかられる可能性が高まっている」(前出・WBC担当記者)
選手のデータはダダ漏れし、監督の神通力も通用しない‥‥。何とも不吉な行く末が案じられるが、こんな声もある。
「米メディアいわく『日本球界の原点は“ナショナル・ハイスクール・ベースボール・トーナメント(高校野球)”』なだけに、甲子園で過酷な一発勝負に慣れた日本が、結局はWBCでは有利との分析が出ているんです」(前出・スポーツライター)
そう、王者がライバルたちの分析や挑発にビビる必要はない。自分たちの野球ができれば3連覇‥‥と信じたいものだ。