深夜ラジオの老舗『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)の顔と言えば、やはり笑福亭鶴光(65)だろう。先月放送された同番組の45周年特別企画でもお笑いコンビ・オードリーと総合司会を務めたばかり。ゲスト出演したAKB48の番組では、メンバーを相手に伝家の宝刀「ええか、ええのんか?」を抜くなど、往年のエロトークは健在だ。
「そりゃあ、ものすごい反響やったよ。彼女ら(梅田彩佳、倉持明日香、大家志津香の3人)に『ちょっと深呼吸してみい』言うて『はー、はー』言うたら、そこに『ええか、ええのんか?』と入っていったんやけど。ただ、あの子らも普通の女の子やから、どっかであんなことも言いたいのよ。アイドルっちゅうことで制約を受けてるけど、ほいっとガスを抜いてあげたら、ナンボでもやってくれんねん」
リスナーからは「よくやった」「神が降りた」などの賛辞を受けたというが、かつてのリスナーなら「鶴光のオールナイトニッポン」の過激さが、この比でないことはご存じのとおりだ。
「『真夜中の運動会』という、女性ゲストをスタジオに放り込んで電気を消して、スタッフ全員で触りまくるっちゅうコーナーがあった。でも、さすがに『あれはレイプを連想させる』と当時のニッポン放送の社長からこんな分厚い直筆の手紙が届いて、たった2回で終わってもうた(笑)。女性がキャーキャー言う姿を想像して楽しんでもらおうって意図やったんやけどな」
他にも“スケベなことを連想させつつ、実はスケベとは全然関係ない”オチがつく「ミッドナイトストーリー」など、番組から誕生したエロコーナーは数え切れない。
「『タマが大きくて入らない。電球のタマが』とかやな(笑)。この前もスケート場で、彼女が彼氏に『私が立たせてあげる』って言うてたんやけど、それだって聞き方によってはエロいやろ? 選挙演説も『私を立たせてください』『男にしてください』って何言うてんねんと(笑)。そう考えたら、どんなことでも下ネタにつながる。そうやって自然とコーナーが増えていったんやな」
しかし、時にはPTAから抗議が殺到したことも。
「さすがにその時ばかりは『1カ月だけ爽やかな放送をしてくれ』と局から頼まれて、下ネタ一切なしで、詩を読んだりしたこともあった(笑)。でも、僕の本業は落語やから。よく『ラジオは愛人や』言うてんねんけど、本業をちゃんとやっていれば、ラジオが終わろうが何も怖いことはないのよ。それなのにみんな怖がってやることを変えるからよけいに悪くなる」
オールナイトニッポンが終了し、別の時間帯の番組に移っても、その基本的なスタンスは絶対に変えなかったという。
「番組が続くかどうかはリスナーの力3割、スタッフ3割、タレント3割、運が1割ですよ。僕だけが頑張ってもしゃあない。これからもやることは何にも変わらないと思いますね」