ついに安倍総理がTPPへの交渉参加を発表した。さっそく発表された試算では、日本製自動車などの輸出で2.6兆円もプラスになるという。日本が誇るアダルト業界もまた、下半身を巡る日米貿易戦争へと突入。新たな輸出品目として米国のマーケットを占拠することは間違いない!
「見たいというのであるなら、外国産はおやめなさい。だんぜん国産である」
小説家・開高健氏は、かつて著書「風に訊け」で日米の裸のフィルムについてこう語った──。
15日、安倍晋三総理(58)がTPPへの交渉参加を発表した。参加国間ではヒト・モノ・カネが自由に動き、国際自由貿易というリングで戦わなければならず、我らがジャパンAVは押し寄せてくるアメリカンポルノと戦わなければならないのだ。「世界の下半身経済が儲かる理由」の著者、BRICs経済研究所・門倉貴史所長はこう予想する。
「アメリカのポルノ作品と日本のAV作品の競争力を比べると、日本のほうが断然有利だと見ています。貿易関係で見ると、日本の輸出超過になる可能性は高い。アメリカの作品は、ほとんどストーリー性がなく行為の場面が中心です。それに比べて日本はストーリー性が重視されていて、芸術性も高い。加えて童顔の女優さんが多いのですが、実は世界的にAVのトレンドというのは童顔・若い子が出演している作品が好まれる傾向があります。特に白人の場合はそういったニーズが強いのですけれども、それに日本のアダルトビデオはマッチしているので、かなり需要が高いのではないかと思います」
ネット時代の現在では、すでにアメリカでも日本のAVが出回っていると思えるが、広大なお国柄で、まだまだマーケットは存在するという。
「アメリカでポルノはDVDとして売られるより、ホテルなどでお金を払って見るケースが多いのです。今のところ“和物”はそこに入っておらず、日本のAVの認知度が高まれば、そうしたところで見られるケースが多くなります。そうなれば相当な規模の市場に参入することができ、多額の著作権料が増える可能性はあります」(前出・門倉氏)
ジャパンAVが質の部分で圧勝することが予想されるが、唯一、“懸念材料”なのがモザイクだ。アメリカンポルノの強みである結合部の「モロ映し」も、日本の国境を越えた瞬間にモザイクがかけられ、そのパワーは喪失。日本国内では限られた愛好家が見るのみとなっているが、AV評論家としても活躍する藤木TDC氏はこう予想する。
「アメリカは自国のポルノを売りたいのですから、今のモザイクは撤廃しろと要求してくると思いますね。自国の大型の車を売らんがために、軽自動車税を廃止しろと要求してきたごとくです」
しかし、日本には刑法175条で規定された「わいせつ物頒布等の罪」がある。違反すれば2年以下の懲役または250万円以下の罰金が科せられてしまう。これを改正する可能性はあるのだろうか──。