「近頃、どんどん似てきている…」
そうスポーツ紙関係者の間でそう囁かれているのが、巨人の絶対的エース・菅野智之と、横綱の白鵬である。
「マウンド上でみごとなピッチングをしてベンチに戻る際、肩をいからせて歩く姿、ふてぶてしい表情…菅野のそんな雰囲気が、勝ち星をあげ土俵を下りる際の白鵬にそっくりという話が、ネタになっている。白鵬の場合、手刀を切って懸賞金を受け取り、『どうだ!』と言わんばかりに周囲をニラミつけるなどして、すでにヒール役が板についている。菅野も、他チームのファンから見ればもちろん、憎たらしいほどのヒールですからね」(スポーツ誌編集者)
その菅野は今シーズン、好不調の波が激しい。不調の例では、6月23日のセ・パ交流戦がある。勝てば5年ぶりの優勝という大一番に先発し、1回に先頭打者ホームランを含め4失点。結果、プロ入り最短43球で降板した。さらに、7月19日の対広島戦も4回表まで5対0と点をもらいながら持ち応えられず、チームは逆転負けを喫している。
「そもそも17年、18年と2年連続で沢村賞を受賞して年俸も史上最高に並ぶ6億5000万円ですから、まさに“球界の横綱”なわけです。年齢も29歳とまだ若いことから、驕るなというのも無理がある。ただしそれでいて、今後、また負けが込むようなことがあれば、巨人ファンからも徹底的に嫌われる要素を持っていそうです」(スポーツ紙記者)
勝てば官軍、負ければ…の世界ゆえに、菅野の動きにファンはその都度反応するもの。ましてトップともなればなおさらで、大物の証しといえる。
(津田昌平)