盛夏の中、8月11日に行われる関屋記念が新潟のメインだ。
馬柱を見れば、おわかりいただけるだろう。GIII戦としてはなかなかの顔ぶれだ。しかもフルゲート(18頭)必至。暑さの余波を受けての熱戦が繰り広げられること請け合いだ。
馬券的にもおもしろそうだが、そう大きく荒れる傾向にはない。02年に馬単が導入されて以降、これまでの17年間、その馬単での万馬券は3回(馬連2回)。この間、1番人気馬は6勝(2着4回)、2番人気馬は3勝(2着2回)。1、2番人気馬のワンツー決着は2回。比較的堅く、人気サイドでの決着になりやすい重賞だ。
が、前述したように、今回は顔ぶれがいいだけに、下馬評どおりの結果になるかどうか。穴党としては、波乱の目も十分あると思いたくなる。
人気順はつけづらいが、ケイデンスコール、サラキア、ソーグリッタリング、ミッキーグローリーといったところが有力候補として挙げられるだろうか。
それでも期待を寄せてみたいのは、6歳牝馬のミエノサクシードだ。
本来なら年齢的にピークは過ぎているが、そこはステイゴールド産駒。オクテなようで、ここにきての充実ぶりには目をみはるものがある。
前走の中京記念は、馬場の悪い内ラチ沿いを通っての追走。直線では前の馬をさばきづらく、何度か詰まる場面がありながら、持ち前の鋭い差し脚で4着に押し上げてみせた。勝ち馬との差はコンマ1秒。レース内容のよさは高く評価したいところである。
「ここにきて本当に力をつけている」
とは、コンビを組む川島騎手のコメントだが、このところマイル戦を選んで使っていることは注目すべきだ。1800メートル戦の実績もあるが、陣営としては、今ならマイル戦がベスト距離と判断してのことだろう。
むろん前走後は、すぐにここを目標に据え、しっかりと調整してきている。1週前の追い切りも軽快そのものだった。
牡馬に比べ、暑さに強い牝馬。充実ぶりに加え、状態もすこぶる付きによさそうだ。
「体重が増えてきたのがいい。馬体に張りがあって雰囲気が実にいい」
高橋亮調教師をはじめ、厩舎スタッフは、こう口をそろえるほどだ。
未勝利戦を勝ったのがこの新潟のマイル戦。新潟の芝は、その時の1戦のみだが、1戦1勝と相性はよく、走れる条件はそろっているとみるべきだろう。
晴雨にかかわらず狙い撃ちといきたい。
相手の筆頭はディメンシオンだ。前走の米子S(7着)は、京都牝馬Sを取り消し、4カ月の休養を挟んでの実戦で、やや重め残りだった。前半折り合いを欠いたこともあり、参考外にしていい。
休み明けを使われて一変、大幅な良化ぶりを見せている今回は期待できる。左回りはスムーズで、新潟は2戦2勝。こちらも暑さに強い牝馬で、大勢逆転があっていい。
エルムSも混戦模様。穴として狙ってみたいのは、サトノティターンだ。
前走の平安Sは内めでスムーズな競馬ができず、やや消化不良の一戦だった。それに下見所から落ち着きがなかった。
今回は立て直して3カ月ぶりの実戦。ここを目標に仕上がりは万全だ。
鉄砲が利く気のいいタイプで、マチカネニホンバレに続いての「全兄弟制覇」に期待だ。