日曜の深夜3時近くだというのに、視聴者を眠らせなかったのが「全英女子オープン」における渋野日向子(20)の快挙である。8月4日に行われた最終日では、前半にダブルボギーを叩くなど首位を明け渡したが、後半の猛チャージで見事日本人として42年ぶりのメジャー制覇をはたした。
渋野は勝みなみや畑岡奈紗らと同じ98年度生まれの「黄金世代」である。ただし、プロテストは昨年2度目で合格という出遅れで、ツアーの実質デビューも今年からというルーキーであったが、日本のゴルフ史に残る快挙をなしとげたのだ。
渋野の武器は、中学までエースを務めたソフトボールで培った「体幹の強さ」が筆頭である。プレー中だけでなく、解説の戸張捷氏が指摘したように「フェアウエーを歩く時も背筋がまっすぐ伸びている」のは、ギャラリーを魅了する美しさであろう。またプレーにおいても無駄なルーティンがなく、次々と次の動作に移るのも観客や視聴者を飽きさせないのだ。
さらに隠れた魅力がある。渋野が国内で初優勝を飾ったのは5月の「ワールド・サロンパス・カップ」だったが、最終日の優勝争いがテレビ中継されると、SNSが異様な盛り上がりを見せる。
「バスト! バスト!」
「まれにみる大きさ!」
プレーそっちのけで渋野の“爆裂バスト”がクローズアップされた。世界を魅了するスマイルだけでなく、豊かな丘陵にもまた、ファンが急増しそうである。