アメリカでのあの発言でバッシングにさらされているのが、小泉進次郎環境大臣だ。国民的人気を背景に満を持して、閣僚入りしたのもつかの間、眼前には茨の道が。汚染水問題が取りざたされる福島原発を巡って、今も「裏社会支配」という、一筋縄では処しきれない現実が待ち構えているのだ!
全国紙政治部記者が苦笑しながら語る。
「今の小泉進次郎氏(38)への風当たりは、与野党問わずハンパではない。記者の取材メモは『中身が空っぽだと言われていたけれど、本当にそのとおりだ』という政治家のコメントばかり。先の参院選で、自民党が劣勢と言われた愛媛県や秋田県で応援演説をするほど弁舌には定評があっただけに、大臣就任後のお門違いの失言の数々には、これまでシンパだった若手議員もドン引きしている。8月にフリーアナウンサーの滝川クリステル(42)との結婚を首相官邸で発表した時もベテラン議員のヒンシュクを買っていましたが、今や打つ手がことごとく裏目に出て、閣僚としての手腕に疑問符がつけられています」
9月11日に発足した第四次安倍再改造内閣の目玉人事として、戦後最年少で入閣を果たした進次郎大臣の旗色が悪い。
これまで一貫して、安倍政権とは距離を取り続け、持ち前のフットワークのよさで全国を飛び回り、そのカリスマ性で選挙の応援演説にも引っ張りだこだった進次郎氏。しかし、入閣するや国連演説で気候変動対策について、意味不明な「楽しく、クールで、セクシーに違いない」と発言。その真意を尋ねられると、
「それに答えることがセクシーじゃない」
と、まるで父親の純一郎氏譲りの支離滅裂ぶりを発揮して、馬脚を現す形となったのだ。
そんな進次郎氏を待ち受ける重要課題が、福島原発だ。就任早々の9月12日には前任者の原田義昭氏(74)が福島第一原発に貯蔵された大量の汚染水を巡り、
「海洋放出しかない」
と発言したことに対し、
「福島の漁師の皆さんが、どんな日々を過ごしてきたかに思いをはせなければ、(処理水に関する)発言はできない。今度、福島で獲れる(高級魚の)ノドグロを一緒に環境省で食べてみたい」
と珍回答。政府見解が「海洋放出」について回答を留保しているにもかかわらず、あっさり謝罪したあげく、漁業関係者をも茶化したような発言は、進次郎氏のライフワークである福島復興にも影響を及ぼす結果となったのだ。地元関係者も嘆くばかり。
「今回の発言にはつくづくがっかりさせられました。これまで福島の野菜の風評被害払拭のためにたびたび同地を訪れてきただけに、韓国が福島の食材の輸入を禁止している事態を批判する絶好の機会だった。それがむしろ韓国を利する内容で、風評被害が固定化されないか不安だ」
それだけではない。汚染水を処理する福島原発の現場では、いまだに公然と「裏社会支配」がまかり通っている現状がある。
事実、ある広域組織に所属する作業員は、
「正直言って、除染にはヤクザの存在が欠かせない。実際、原発には組員が経営する会社が入り込んでいるのが実態だ。とにかく人手が足りないから、反社チェックはユルユル。まあ、日当は3万円出るし、作業時間は短いし、やりたい放題だよ」
と、不適な笑みを浮かべるのだ。