子供たちのエッチなイタズラを「まいっちんぐ~」のひと言でやり過ごしてしまう、ご存じ「まいっちんぐマチコ先生」。作者・えびはら武司氏がみずから明かすマチコ先生の「秘密」とは──。
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マチコ先生=麻衣マチコといえば、いわゆるトランジスタグラマー体型が頭に浮かぶ。
「あんまり意識したことがないんだよね。特にモデルとかもいないし。ただ当時、アグネス・ラムちゃんとか宮崎美子さんが人気で、そのイメージが無意識にあったのかもしれない。あと、大場久美子。好きだったんですよ(笑)。彼女、けっこうボインだしね。もっとも、作画する時に使ったことはないな。髪型くらいかな、意識したとしたら」
そんなマチコ先生は、イタズラ児童のケン太にスカートをめくられ、お約束の「決めゼリフ」を言うシーンが定番だ。
「実はね、みんなが思っているほどスカートめくりは描いてないんだよね。描きにくいし、むしろスカートをはいていないパンティ姿のほうが多かった。連載スタート直後にアニメが始まったんだけど、恐らくそのイメージが強いんだと思う。アニメでは確かに多かったかもしれないね」
事実、アニメ化の影響は大きく、関西地方ではマチコ先生に抗議するPTAの会のようなものまでできたという。ただし、
「編集サイドがずっと対応してくれていた。僕は描いていればいいと。それがなかったら若干内容も変わったかもしれないね」
さらに、こんな驚愕の話まで‥‥。
「まいっちんぐポーズも、当初は決まっていなかったんだよね。(アニメの)プロデューサーの方がモデルさんを連れてきて、ポーズを決めよう、と。マンガの中では『まいっちんぐ』という言葉は使ってたけど、キメポーズまではなかった。お恥ずかしい話だけどね」
もっとも、マチコ先生の人物設定にはえびはら氏の強いこだわりがあった。
「当時、『金八先生』とか学園ものがはやっていた。いわゆる熱血ドラマ。でも、僕はそうしたくなかった。女性だし、逆にまったく説教しない先生にしようと。そうそう、僕が中学生の時に、怒らない女性の先生がいてね。それどころか、生徒にいじめられて泣いちゃうみたいな。それも心のどこかにあったのかなぁ」
さらにマチコ先生には、こんな「秘密」も。昭和から平成にかけて進化を続けているというのだ。昔は4等身、5等身だったのが、読者の年齢が上がってきている現実もあり、
「じゃ、グッとアダルトにしようと、8等身に。今考えているのは、アダルトになったマチコ先生の映画化ですよ。どこかでやりたいね。カラミとか? それは他(の作品)がやってるし、マチコには求められていないと思うよ(笑)」
主演は誰なんだろうか。