クロちゃんが新しい女性アイドルグループをプロデュースする企画「MONSTER IDOL」が注目度を高めている。バラエティ番組「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で11月6日にスタートした同企画は11月20日の放送で3回目を迎え、この日はなんと放送時間の3分の2ほどを費やすなど、その人気ぶりは明らかだ。
「番組側の注力ぶりも半端なく、候補メンバーを集めた沖縄合宿では豪勢なコテージを一棟借りしているほか、今回は全員で美ら海水族館を訪れる場面も。普段は観光客でごった返す大水槽前に人の姿はなく、営業時間外に貸切で撮影したようです。また現地には、本企画に全面協力する芸能事務所『WACK』代表の渡辺淳之介氏や、所属グループ『BiSH』のアイナ・ジ・エンドも駆けつけており、人とコストの両方を惜しみなく投入している様は圧巻とさえ言えます」(テレビ誌ライター)
その第3回では、クロちゃんが候補メンバーのアイカにスパイ役を依頼。お気に入りメンバーのカエデとナオから、本当はクロちゃんのことをどう思っているのかを聞き出す場面にはスタジオゲストからも視聴者からも悲鳴があがっていたが、その二人が見せた態度は実に対照的だった。
スパイ役のアイカからクロちゃんの印象を聞かれたカエデは、「何かテレビで見てたより全然印象良くて、だから思ったより無理っていう感じじゃなかった。意外とクロちゃんイケるかもみたいな。なくはない」と、クロちゃんを全面的に肯定。1日ごとに発表されるランキングでがっちりと1位を確保したのも当然だろう。
対するナオは、ルックス面ではクロちゃん一番のお気に入りながら、アイカの誘導質問に対しては「気持ち悪い」と一蹴。さらには「若干口臭かったりするの。でもアイドルになるためにはしょうがないのかな」と、悪口のオンパレードだ。それゆえランキングでは合格ぎりぎりの6位に低迷したのは当然だが、これらの場面に対して視聴者からは、辛らつな批判も聞こえてくるというのである。
「アイカがカエデやナオに質問していたシーンについて、《普通に考えて台本やん》という声が少なくありません。番組ではこっそりと撮影している体になっていますが、実際には複数のカメラが取り巻いているのは明らか。そんなスタッフ丸聞こえの環境で、企画の意図にガッチリ沿ったセリフを言いよどむことなく口にするなど、テレビ慣れしていない彼女たちにできるわけもないはずです」(前出・テレビ誌ライター)
そんな批判がある一方で、この番組が「水曜日のダウンタウン」であることを前提に、違った見方をする者も少なくないようだ。テレビ誌ライターが続ける。
「そもそも『水ダウ』ではどんな企画でも台本ありきは当たり前。この『MONSTER IDOL』でもリアリティショーの体裁をとりつつ、しっかりと練り込まれたストーリーがあるのは確実でしょう。ただ、大事なのは視聴者が悶絶するほどの面白さであり、なによりヒリヒリとした緊張感です。たとえ台本があるにせよ、合宿で誰が脱落するのかまではメンバーに伝えていないはず。クロちゃんをディスるセリフを言わされたナオにしても、その日生き残れるかどうかが分からないからこそ、本物の涙がこぼれたのでしょう」
どうやら候補メンバーたちは、番組の用意した“台本”という名のワナにがっちりと捉えられているようだ。そして、話を面白くするためにはナオのような人気メンバーを脱落させることさえいとわないのが『水ダウ』流。それゆえ次回以降も台本の存在など気にせず、『水ダウ』とクロちゃんの描く壮大な物語を素直に楽しむのが吉のようだ。(金田麻有)