テリー この世界に入ってきたのはいつ? 街を歩いている時か誰かにスカウトでもされたとか。
アンジェラ デビューは20歳の時です。幼い頃からモデルさんになりたいとぼんやりと思ってはいましたけど、その頃の私、たぶん声をかけられる雰囲気じゃなかったと思います。
テリー どういうこと?
アンジェラ 私、制服を着ていても現役女子高生に見られなくて、コスプレをしているお姉さんだと思われていたようで。だから「あの人、制服を着て何をしているんだろう」みたいな目線で見られていたようで、地元ではちょっと浮いている存在だったんです。
テリー うーん、どちらかといえば背が高いし、美人すぎるから、ものおじして声をかけづらかったんだよ。なら、自分からモデルのオーディションを受けたり、タレント事務所に応募したりしたとか。
アンジェラ いえ、それもありませんでした。その頃はちょっと「大人の世話になんかなるか」みたいなモードに入っていたもので。
テリー どうして?
アンジェラ 家族がいろいろと疎いところをつけ込まれて、振り込み詐欺やセールスでダマされそうになることが何度かあったんです。なので、当時は周りの大人たちをちょっと敵対視していたところがあったんです。
テリー 家族を守るためならしかたないか。じゃあ、どうやってこの世界に入ってくるの。
アンジェラ 私、写真を撮られることが好きだったので、友達に撮ってもらった写真をSNSに上げたりしていたんです。そしたら、それを見てくれた今の事務所の先輩がマネージャーさんに「かわいい子がいる!!」とSNSの写真を見せてくれて。たまたま私の知り合いのカメラマンさんがそのマネージャーさんとも知り合いというご縁もあって、所属することになったんです。
テリー そこからモデルとして活躍することになったのか。ところで、さっきも言ったけど「サンジャポ」で一緒に出た時、コメントがちゃんとしていて感心したんだよ。非常に知的な、頭のいい人なんだなって。
アンジェラ やったー!
テリー 例えば、殺人事件に関して語る時も、被害者だけでなく加害者の目線も忘れていない。すごく冷静に世の中を見ている気がするけど、何かきっかけがあるの?
アンジェラ たぶん、自分のこれまでの経験もあるんでしょうね。さっきから言ってますけど、私、印象だけで悪く見られることが多かったので。いじめられたり悪いことを言われたり、なんで私にこういうことをするんだろう、なんていろいろ考える機会があって。
テリー うん、それで?
アンジェラ あとで「自分はバスケをやりたいのに背が低い。身長が高いアンジェがうらやましくて腹が立った」と言ってくれた子がいて、それを聞いたらその子のことを憎めなくなったんです。私の存在そのものを嫌っていたわけじゃなかったんだ、ちゃんと理由があったんだって思えて。
テリー なるほど、それは深いなァ。
アンジェラ そこから「人は理由なしに悪いことをしないのかもしれない」と考えるようになって。ニュースもそういうふうにいろんな角度から見るように心がけています。
テリー 22歳の若さでそこに気づくっていうのは、実に大したもんだ。そういう人生経験を積んでいるアンジェラだからこそ、こういった特別な感覚を自然に持つことができたんだろうね。