収束の兆しを見せないコロナウイルスの蔓延に演劇界も襲われている。
公衆の場での感染防止を図る政府によるイベントの自粛要請により多くの劇団の公演が中止になっている。
この状況を受け、演出家の野田秀樹氏は3月1日に公式サイトで〈意見書 公演中止で本当に良いのか〉と題する文章を掲載した。感染対策を十全に施し、観客の理解を得た上で〈予定される公演は実施されるべきと考えます〉と綴った野田氏。
さらには《ひとたび劇場を閉鎖した場合、再開が困難になるおそれがあり、それは「演劇の死」を意味しかねません》と指摘している。
「この意見表明に、様々な演劇人がSNSで賛同の意を示している一方で、八嶋智人の『迷走』が話題となっているんですよ」と明かすのは演劇関係者だ。同2日にツイッターを更新した八嶋は野田氏の意見書に追随する形で「公演中止」への違和感を吐露。
さらには〈さすがにそろそろ、あべさんが、だいぶおかしいと、いろんな降り幅の人が思わないのかなぁと、本気で思いますが、どうなのでしょう?〉(本文ママ)と「政権批判ツイート」も綴っていたのだが─。
「八嶋は後日、これらのツイートを削除したことから業界内では『本気じゃなかったのか』と失望の声が挙がっている。そして『政権批判がマズかった』との見方以上に“ある理由”が囁かれているんですよ」
その理由とは。
「『エセ科学』の指摘です。彼は最初のツイートで《演劇を観る事で免疫力は上がる》と書いているのですが、さすがに科学的に証明できっこない話。確かに笑うことでセロトニンが分泌され、副交感神経が優位になり、リラックスした状態になり免疫機能が上がると説く医療関係者は少なくありませんが、演劇を見れば免疫があがると言い切るのは強引すぎます。これを周囲に咎められたのではと見られているんです」(前出・演劇関係者)
それが真相なら、「削除やむなし」といったところか。
(牧マコト)