芸能

空前の「MANZAIブーム」40年感謝祭!(2)<ビートきよし(ツービート)>たけしの毒舌でテレビネタは半分に削られた

 MANZAIブームの急先鋒にして規格外のカリスマ性を放ったツービート。破天荒な舞台裏をビートきよし(70)が語る。

 僕らは当時、「お笑い大集合」(フジテレビ系)という若者向けの番組で司会をやっていました。そこで、漫才のコーナーの視聴率が少し高かったそうなんです。それを見た若手ディレクターが、「漫才をMANZAIにして番組を作ろう!」となったのが、「THE MANZAI」の始まりです。

「他のコンビには負けない! いちばん笑いを取ろう!」

 そんな気迫が全コンビにみなぎっていた。胃が痛くなるほど、真剣勝負の場でした。しかもウチの相方(ビートたけし)は、ネタ合わせどおりやらず、50%は構成を変えたりアドリブでやる。「コマネチ!」もアドリブだし、急に客に対して悪口を言うしで、ギョッとしますよ。次に何が来るのか、真剣に聞いていないと追いつかない。僕の代名詞は「よしなさい」だと言われるけど、相方の次々に繰り出される言葉に重ならないよう端的にツッコむには、その言葉がいちばんハマッたんですよ。

 そうそう、僕らを最初に使ってくれた番組は「爆笑パニック! 体当たり60分」(現・テレビ東京系)。収録前のリハーサルでは、「今のネタだめ。それもダメ」とカットされ、「それ以外のネタでやること」と言われました。以降、どの局でも僕らがネタ見せする時は、スタッフが必ずテープレコーダーを回すんです。

「俺は『ここをカット』と言ったからな、証拠もあるから。本番で違うことをやってクレームがついても俺は知らないよ」

 で、気がついたら相方のネタは半分に(笑)。そういえば「笑点」(日本テレビ系)を干されたこともあった。

「酒を飲まないで酔っ払う方法があるんだよ。サントリーの角瓶で頭を殴るの。ふらふらになるだろ?」

「酔っ払ってないだろ、それは!」

 こうやったら、「笑点」のスポンサーがサントリーだったんですよ。それっきり、お呼びがかからなかった。

──

「THE MANZAI」開始後、たちまち漫才ブームが席巻。バブルに向かう景気も相まって、芸人たちの前に札束が飛び交った。

──

 忙しくて平均睡眠時間は3時間。営業が“裏かぶり”していた日もありました。でも、当時所属していた太田プロは給料制。B&Bは歩合で、月収6000万なんて聞きました。

 ただ、夜遊びしていても金が入る時代。飲み屋の隣のテーブルから声がかかり、1杯飲むだけでテーブルの下から「お車代です」とこっそり10万円が差し出される。まあ「その筋」の人でね、彼らにはよくしてもらったなあ。地方公演では最前列に地元ヤクザが座り、チップが飛び交うんです。中には、100万円の束をもらった芸人もいましたね。

 今度、知り合いが経営する横浜のライブハウスで、芸人のライブを開こうと思っているんです。若手を育てたいと思ってね。テレビ用じゃなく、生身のお客さんを引きつける漫才師が、また出てきてくれることを期待しているんですよ。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
2
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
3
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論
4
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
5
世間はもう「松本人志」を求めていないのに…浜田雅功「まっちゃん」連呼のうっとうしさ