志村けんさんが新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなってから、ユーチューブで公開されている米津玄師の「Lemon」のミュージックビデオのコメント欄が荒れているという不思議な現象が起きている。
志村さんの訃報を聞いて「Lemon」を想起した人々が、〈志村けんさんのご冥福をお祈りします〉〈志村さん、本当に楽しませてくれてありがとう〉〈実はドッキリでーすとかって、志村さん戻ってきて〉〈けんさんドリフの末っ子なのに早すぎるよ〉などと、同曲コメント欄に追悼文を投稿しているのだ。
実は、もともとこの曲は、米津が「大好きだった祖父を亡くした」ことから生まれた1曲。2018年3月の同曲リリース記念ウェブラジオで「結果的にあなた(祖父)のことが、あなたが死んで悲しいです、と4分間ずっと言ってる曲になって。だからそれは人を励ますというより、ただひたすら自分の気持ちを吐露するだけの4分間になってしまった」と米津も明かしていることから、志村さんの死によって同曲を想起する人の気持ちもわからなくはない。
「ネット上では、米津のミュージックビデオのコメント欄に志村さんに対する追悼を投稿するのは場違いだと批判する声が多い中、コメント欄に何を書いても自由だろうとする声もあるようです。また、誰かの死に直面した時にこの曲を思い出さない人は感覚が古いのではないかと指摘する声まであるようです」(音楽誌ライター)
志村さんの訃報も、米津の曲も「世の人々の心に大きく響いた」ことによる一つの現象、ということなのだろう。