芸能

「チン談マン談」特別対談「笑福亭鶴光×林家たい平」(1)無観客でも三平はつまらない

 吉例の爆笑対談は、明るく元気な林家伝統のサービス精神を受け継ぎ、かつ古典落語の楽しさを現代に伝える林家たい平師匠に、笑福亭鶴光師匠が「たい平ワールド」の秘密や「無観客笑点」の裏エピソードなどに斬り込む。新型コロナに直撃されても、どっこい噺家は笑いを忘れませんで。

新型コロナで落語会中止と掛けまして、男を喜ばせる女のテクニックと解く。そのココロは、こんなの初めて》鶴光

《プロ野球開幕などイベント延期と掛けまして、なかなか裸にならない女性と解く。そのココロは、やるのかやらないのか、はっきりして》たい平

鶴光 新型コロナで寄席は休演、落語会の仕事も全てなくなってしもうたね。

たい平 テレビのロケもなくなっちゃって。ラジオも、この前(4月2日)10年ぶりにテリー伊藤さんと「のってけラジオ」(ニッポン放送)を復活させたんですけど、飛沫対策でアクリル板を間に挟んでしゃべるから、まさに刑務所の面会状態(笑)。

鶴光 若手はテレワーク落語にユーチューブ落語や。

たい平 もともとユーチューブには多くの落語素材があるでしょ。だから、あえて無観客で撮るのは厳しいですね。お客さんの笑いがないと。

鶴光 ウチの(六代目笑福亭)松鶴師匠の十八番の「らくだ」も、資料映像として残すためにスタジオで撮ったんやけど、オモロくもなんともなかった。無観客では演じる側もそれを映像で見る側も乗らへん。

たい平 お客さんとのキャッチボールが大切ですね。

鶴光 「笑点」(日本テレビ系)の無観客収録はどや?

たい平 無観客で気づいたことは、お客さんがいらしてもいなくても、つまらない答えはつまらないんだなってこと。(二代目林家)三平はやっぱり変わらない(笑)。

鶴光 年に一度、「笑点」の正月特番に出ることあるやんか。見とったら、お父さん(初代林家三平)と同じでパフォーマンスの人なんやね。人と協調することに慣れてない。スベッた時、司会の(春風亭)昇太さんが突っ込んで救ってくれるんやけど、待たれへん。オタオタして、「ウケない」ってやるから、余計、目立つんや。そういうこと、先輩として、言うたったら?

たい平 三平クンと仲いいもんで、いろいろ話しているんですけど、言われてできるってもんでもないし。

鶴光 無観客大喜利、テンションを上げるて難しい?

たい平 でも、めったにできないことなんで、この状況を楽しんでます。(三遊亭)小遊三さんがスケベなことを言った時、「すいません、今笑ったのはウチのマネージャーなんです。小遊三師匠のスケベネタはウケるんですよ」って。

鶴光 病気療養で休演した(林家)こん平師匠の代役で「笑点」のメンバーになって16年やね。

たい平 当初、いくら手を挙げても(五代目三遊亭)圓楽師匠から指されない。3週間後、圓楽師匠と2人っきりになったんで「何か失礼なこと、したでしょうか」って聞いたら、「本番になると、キミの名前がわかんなくなっちゃうんだよね。オレンジのヤツが手を挙げているけど、こんちゃんじゃないしな」って。

鶴光 正月に出演した時、答えてホッとするやんか。その時、圓楽師匠が「ハイ、続いて鶴光さん」(笑)。

たい平 びっくりですね。

鶴光 昇太さんはどう?

たい平 20代からのつきあいで、最近では「春風亭昇太の少年時代工房」(BS朝日)で、一緒に60メートルの巨大流しそうめん作りが楽しかったですね。自然の竹林の中で作って、ザーッと落として。途中、木久蔵ラーメンも流したりして。

鶴光 昔、テリー伊藤さんプロデュースの「日曜ビッグスペシャル」(テレビ東京系)でワシ、たこ八郎さんとソーメンの代わりに上から落ちたことあったで。

笑福亭鶴光(しょうふくてい・つるこ)1948年3月18日、大阪市出身。67年、上方落語の六代目笑福亭松鶴に入門。74年からニッポン放送「オールナイトニッポン」などのパーソナリティとして人気。東京を拠点に上方落語の発展に尽くす。上方落語協会顧問。落語芸術協会上方真打。出囃子は「春はうれしや」。師匠譲りの豪快な話芸で「相撲場風景」「三人旅」などを得意にしている。J:COMJテレにて隔週土曜「オールナイトニッポン.TV@J:COM」、J:COMチャンネル関西エリアにて毎週土曜「ジモト満載えぇ街でおま!」に出演中。「まだ寄席が開いていた3月末に噺家仲間と楽屋で会うた時、初めは笑うとったのがだんだん自虐ネタになって。最近はそういう話題すら口にしなくなってもうたね」

林家たい平(はやしや・たいへい)1964年12月6日、埼玉・秩父市出身。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業後、88年に林家こん平に入門。2000年、真打昇進。04年から「笑点」(日本テレビ系)に師匠の代役で出演、06年からレギュラー。04年と08年、国立演芸場主催花形演芸会金賞受賞。08年、芸術選奨文部科学大臣新人賞。19年、浅草芸能大賞奨励賞受賞。落語協会理事。武蔵野美大芸術文化学科客員教授。出囃子は「ぎっちょ」。BS朝日「新鉄道・絶景の旅」などに出演中。著作は「林家たい平の落語のじかん」など。「人間って素敵だなって思えるのが落語です。酔って失敗するなどダメ人間も登場しますが、本当の悪人は出てこない。人が出会う中で生まれる喜びや悲しみ、苦しみ全てを包み込んでくれます」

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
2
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
3
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論
4
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
5
世間はもう「松本人志」を求めていないのに…浜田雅功「まっちゃん」連呼のうっとうしさ