「ロックダウン」「ステイホーム」横文字を連発し、命令口調で首都東京のコロナ対策の陣頭指揮を取り女帝の風格すら漂わせている小池百合子都知事。6月告示の都知事選での再選圧勝が確実視される中、人気急騰の吉村洋文府知事と「首長バトル」を繰り広げていたという。
吉村氏と言えば、独自の「大阪モデル」により通天閣を基準クリアの緑色にライトアップさせるなどスピード感のあるコロナ対策を目に見える形で打ち出し、大阪府民から一躍注目を集めているが、政治部デスクがその人物像を解説する。
「3月末の3連休では大阪ー兵庫間の往来自粛規制、そして、緊急事態下で営業を続けるパチンコ店名の公表と、目新しい戦略をやつぎばやに公表し、府民からの注目度はナンバーワン。また、全国に先駆けて『大阪モデル』という出口戦略を打ち出し、『国が基準を出さない』、と西村康念経済再生担当相と舌戦を仕掛けるなどケンカっ早いところは橋下徹・前大阪市長を彷彿させます」
コロナ対策で後手を踏む安倍政権から支持者離れが起きているとみられる中、吉村氏が副代表を務める日本維新の会は野党第1党に支持を伸ばす躍進ぶりで、「コロナが産んだ難波のニュースター」は甘いマスクで女性誌グラビアで特集されるほどだ。この人気ぶりを苦々しく思っているのが小池氏なのだという。
「コロナ対策では近隣県の知事どころか安倍総理をもはるかにしのぐ発信力のある小池氏ですが、吉村氏の『大阪モデル』で一気に形勢逆転となってしまった」
8日の会見では出口戦略を問われた小池氏は、「出口、出口というと収束に向かっているようで、気の緩みにつながる。私は出口戦略という言葉を使わない。この先いくつかのフェーズがある。それについてのロードマップを示していく」と、大阪への対抗意識を強める発言もしているが、目下のところは、防戦一方の感は否めない。
5月19日発売のアサヒ芸能5月28日号では、「コロナで注目された2人の知事」のバトルの内幕とともに、世界が酷評する安倍政権のコロナ対策、ウィルス禍を10年前に予言していた作家の直撃取材、僧侶や寺院への感染危機の実情について、特集記事で詳しくレポートしている。