エンタメ

我が青春の週刊少年ジャンプ(14)本宮らしい豪快な話

 永井とともに初期のジャンプの大飛躍の立て役者となった本宮も新人時代のエピソードには事欠かない。

「男一匹ガキ大将」の連載を突然終わらせようとした話などは特に有名だ。

「富士山の裾野で主人公がライバルと対決する回でね。(主人公の万吉がライバルに竹ヤリで刺され)まだ話が続くはずのこの回の最後のコマに『完』って描いた原稿を置いて、本宮さんがどこかに行っちゃった。これは本当に困ったね。本人も煮詰まっているような感じがあって、描き切ったというところまで追い詰められている部分もあったんでしょうね」(西村)

 結局その後、本宮は無事戻ってきて連載は続くことになるが、西村の編集者人生の中でもとりわけ思い出深いトラブルだったという。確かに本宮らしい豪快な話ではある。前出の角南も本宮についてこう話す。

「描くのが面倒だからってことで、キャラクターのアップで、(背景などを)マジックでガーッと塗ったりって手法を使っていった。それくらいチマチマしたことが嫌いな性格なんだろうね」

 まさに本宮の性格が漫画に反映された話だろう。しかも、「面倒」というところが出発点とはいえ、この本宮の作画手法は、結果的に絵に独特の勢いを与え、一つの魅力になっている。西村も笑いながら語る。

「『男一匹ガキ大将』がアニメ化される際に、本宮さんがポスターを描いたんだけど、地面を蹴っている足が左右逆になっててね。親指が外側に来てるんだよ。でも、完成するまでそれに誰も気づかなかった(笑)。そういうことは他の作家さんでもけっこうあってね。ある野球漫画では、よく読むともう3アウトでチェンジになってるのに、延々と試合が続いてたなんてこともあったよ。でも、読者も気づかない。それでも読ませちゃう力があったんだろうね」

カテゴリー: エンタメ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論