実は上半期の写真集マーケットは、近年になく活況を呈したという。では、どんな美肌が舞い踊ったのだろうか。グラビア評論家の徳重辰典氏が解説する。
話題騒然なのが、「モーニング娘。」の1期メンバーだった福田明日香がヘア写真集「PASSIONABLE」(講談社)を発売したことだ。徳重氏いわく、90年代、父親の買った週刊誌に載ったヘア見せグラビアをを見るような懐かしい艶っぽささといかがわしさが漂う一冊で、「あとから『毛の商人』と呼ばれた高須基仁さんの息子さんが手がけたと聞き、膝を打ちました」という。
福田は出産も離婚も経験した熟れ頃で、発売後はたちまち10万部突破の好セールスに。
「近所の主婦が脱いだようなリアリティあるボディに、処理しないままの剛毛も生々しい。それにしてもここまでの大ヒットとは『モー娘』ブランドの強さに驚きです」
綾瀬はるかは久々の写真集「ハルカノイセカイ02」(講談社)で、Fカップの“胸の渓谷”を表紙から全開。そうなると「ホリプロ三姉妹」である深田恭子も黙ってはいない。新作「Brand new me」(集英社)で勝負に出た。徳重氏によれば、上半期は“ヒップで売る”写真集が「豊作だった」というが、「深キョンの新作はアメリカンステーキみたいな重量級ヒップがすばらしい」という。前作よりも肌はこんがり焼け、ヒップにピンクの水着が「がっつり食い込む写真」では、日焼け跡がくっきり見えるため、「心臓に悪いほど」艶っぽいとのこと。「南国のようなカラッとした」艶が楽しめるそうである。
昨今、ギャル系タレントの躍進が目覚ましいが、写真集部門においても同じ。まず、ゆきぽよは「Yukipoyogram ゆきぽよ写真集02」(双葉社)で攻めの一手を繰り出した。
「ゆきぽよは上半期グラビア界のMVPだと考えています」という徳重氏によれば、テレビで毎日見る芸能人の肌着姿はこうなのかと知るだけで、まず艶っぽいという。「彼女の売りは丸みあるヒップ」だが、小さめのセパレートタイプの水着、T型の下半身用ウエアでバックでガンガン肌見せ挑発してくると分析する。「胸はそこまで大きくありませんが、くびれた腰とへそピアスの合体技で完全にノックアウト。ギャル系グラビアの最高峰と言えます」(徳重氏)
百戦錬磨のヒップラインを言うならば、にこるんこと藤田ニコルは初の写真集「好きになるよ?」(講談社)で対抗。徳重氏は藤田も同じギャル出身だが、こちらは美白ヒップが売りだといい。「グラビアは最初で最後という意気込み」のもと、アンダーウエア、手で胸隠し姿と大胆さを見せてくれていると称賛する。「撮影のために努力でシェイプしたボディはとにかく美しい」が、艶っぽさという面では「少々弱め」とか。それでも「ヒップを全部さらした」背面からの脱ぎ姿は「興奮必至」だという。
「最後と言わず、また写真集を出してほしいものです」(徳重氏)
まったく異議なしである。
さて近年のグラビア界は熊田曜子を筆頭に、三十路を過ぎてもバリバリの現役感を放っている。熊切あさ美は四十路にして「Bare self」(双葉社)を発売。山崎真実も「ひととき」(光文社)で変わらぬ肢体を見せた。徳重氏によれば、上半期、最も艶っぽい写真集は山崎真実だという。「04年に『ミスマガジン読者特別賞』に輝いたグラドルも34歳」だが、不貞をイメージさせる全体の作りで、はだけた浴衣に敷布団上での肌着姿と「とにかく妄想をかき立てる」という。直接的でなく、肌着越しのヘアやちらりと見せるバストトップと肌見せもうまく、「大人が楽しむ一冊」だそうだ。
一方で若さの台頭もまたありがたい。乃木坂46の与田祐希は、「無口な時間」(光文社)が重版を重ねる大ヒットに。
「アイドルが出した写真集の中で、上半期一番でした。アイドル写真集の醍醐味は『この子あんな顔していて、脱いだらこんなにすごいの!?』というギャップです」今作は、「これぞアイドルと呼べるかわいらしい表情と、たわわすぎるみごとな推定Fカップの水着姿とが交互に現れる」艶っぽさの「ミルフィーユ」状態だという。「見れば脳内に甘い幸せが広がります」(徳重氏)
下半期も傑作が量産されそうだ。