帰ってきた「倍返し男」が日曜夜9時のお茶の間を沸騰させている。裏金、裏切り、裏工作‥‥。ドス黒い金融界の闇を、いずれ劣らぬ名優たちが「顔芸」たっぷりで盛り立てる。クライマックス間近の大人気ドラマ「半沢直樹」の謎を10倍裏返しだぁ!
前作、13年版の最終回で42.2%という平成ドラマの最高視聴率の金字塔を打ち立てた日曜劇場「半沢直樹」(TBS系)。同局にとってはドル箱のヒット作となったにもかかわらず、20年版の制作まで実に7年も要した。その原因の一つが主演を務める堺雅人(46)にあったと語るのは、芸能プロダクション関係者だ。
「堺さんは、役になりきる憑依系の役者なんです。ドラマの収録前には関連資料を読み込んだり、実際に自分で取材を重ねて、その役の世界観にどっぷりと浸り込む努力を重ねている。もちろん、このドラマの出演者は大御所ばかりなので、全員のスケジュールをそろえるのも大変。それに堺さんは16年にNHK大河ドラマ『真田丸』の主演が決まっていたこともあり、続編を作るのがこれだけ大幅に遅れてしまったわけです。ちなみに、堺さんは一つの作品が終わると『役落とし』をするため、クランクアップ後に台本などは捨ててしまうそうです」
どんな長セリフでも絶対にトチることがない堺は、現場で「お芝居モンスター」とあがめられている。
「さすがに家庭では台本に集中できない。そのため、喫茶店を稽古場代わりに使っているそうです。休日は近所の喫茶店へ出かけ、コーヒーを飲みながら台本をきっちり読み込む。しかも同じ店にあまり長居をせず、別の店へとはしごする。その移動中にセリフを叩き込むそうです。しかも、喫茶店といっても堺さんが利用するのは『ドトール』などセルフ式のチェーン店。今では近所のコーヒー店に詳しくなったそうです」(芸能プロ関係者)
CMではマクドナルドのビッグマックをほおばっているが、お気に入りがドトールだったとは!
その堺の宿敵・大和田暁取締役を演じるのが香川照之(54)だ。今や「半沢直樹」の代名詞になった「やられたらやり返す、倍返しだ」に対し、「施されたら施し返す、恩返しです」と応酬するなど、名セリフを生み出している。
TBSドラマスタッフが打ち明ける。
「前回の13年版で半沢に敗れた大和田は、20年版の原作には出てきません。とはいえ、前作の土下座シーンでドラマを盛り立てた大和田を欠くことなどできず、新たに台本に書き加えられた。香川さんは水を得た魚とばかりに、現場では『アドリブ祭り』を繰り広げています。第2話では半沢に対して『お・し・ま・いDEATH!』と首をかっ切るポーズをアドリブで放ち、カットがかかったあとは、さすがの堺さんも膝から崩れ落ちたそうです」
まさか、あの半沢が映像外で「沈‥‥ヴォツ!」していたとは‥‥。
「今回、初出演となった市川猿之助(44)が、半沢の宿敵・伊佐山部長を演じましたが、従兄弟の香川さんが、現場でみっちりと立ち居振る舞いを伝授していました。半沢と伊佐山が対決するシーンにわざわざ香川さんも立ち合い『もっとやれ~』と、ド派手な顔芸を指導していた。さすがの堺さんも『大和田さんがずっといるから、やりにくい』とコボしていたそうです」(ドラマスタッフ)
これぞ、猿之助スーパー歌舞伎の真骨頂か!