テリー アサ芸でかっこいいことばっかり話されても困るんで、私生活のことも聞きたいんですけど。家ではどんな感じなんですか?
渡邉 僕は家ではおとなしいから。借りてきた猫みたいです。
テリー 家に帰ったら、まず「ただいま」って言うでしょう。そうしたら?
渡邉 「お帰り」って言われます。あとは、寝るまで会話はないかな。隣に息子たちが住んでるから、週に1回か2回は孫が家の中を走り回ってますけど。
テリー いや、そんなのはどうだっていいんですけど(笑)。奥さんとの関係はどうなってるんですか。
渡邉 だから、みごとに別々の生活ですよ。家内は書道の先生なので、習字を書いてたり、僕は僕で書斎で仕事してますから。
テリー 夫婦の会話って1日何分ぐらいあるの?
渡邉 昨日は「ただいま」「お帰り」「おやすみ」で終わりかな。
テリー ダメじゃん。僕はちゃんとありましたよ。
渡邉 どんな会話?
テリー 奥さんがテレビを録画してたんですよ。で、実は僕、奥さんには敬語だから、「何を録画してるんですか」って。そしたら「韓国のドラマ」って言うから、「あぁ、おもしろそうですね」と。
渡邉 大した会話じゃない(笑)。
テリー でも、僕のほうがまだ距離が近いですよね。
渡邉 確かに。
テリー だからね、偉そうにしてても渡邉さんは全然偉くないんです。
渡邉 全然偉くない(笑)。でも、テリーさんとラジオに出るようになって、僕も少しずつ反省を始めてるんです。
テリー あ、そうなの。
渡邉 そう。ひと声かけるとか、誕生日の時はどうするとか、テリーさんからいろいろアドバイスをもらって。ただ、テリーさんに言われて「そうだな、ちょっと旦那としてはダメだな」と思っても、なかなか行動に出せないのね。でも、そう思うだけで、少しずつ伝わるんだね。
テリー 伝わってませんよ。
渡邉 いや、伝わるの。なんでそれがわかるかというと、今まで僕は30冊以上本を出してきたんですけど、家内は1回も読んだことないし、感想も言ったことないんです。ところが今回「コロナの明日へ」を読んで、初めて感想を言ったんですよ。
テリー おおっ、すごい!なんて言われたんですか。
渡邉 「全部読み終わったわよ。おもしろかった」って。
テリー それだけ?
渡邉 そう。
テリー アハハ。でも、それはうちよりマシですよ。僕もこの前「老後論」って本を出して、机の上にずっと置いてあるんですけど、ピクリとも動いてないですから。すごいでしょ。
渡邉 おもしろい。
テリー じゃあ、奥さんとの関係は、2人ともこれからの課題ですね。最後に経営者としての今後の夢を教えてください。
渡邉 僕は88歳まで仕事するって決めてるんですけど、やっぱり政治家でできなかったことをやりたいですね。それは何かというと、経営というのは、僕はモデルだと思うんですよ。経営って、ほんとに小さい仕事しかできなくて、たとえ1000店舗作ったって、それで世の中何も変わらないんです。だけど、社会をよくしていくモデルを作って、それによって社会をよくすることはできると思うんですね。だから、そういうモデルを作りたい。それが今の夢ですね。
◆テリーからひと言
かっこいいこと言ってるわりに、いつも奥さんの話になるとシュンとするんだよなぁ。仕事もいいけど、奥さんとの仲も大切に!